在学生の声佐藤 史経 さん

「考えさせられること」が中大通教での法律学習の面白さであるといえます。

佐藤  史経  さん
  • 入学:2017年4月(3年次編入学)
    卒業:2021年3月
    就学時:20歳代
    居住エリア:北海道在住
    職業:公務員
    (2020年3月掲載)

入学のきっかけを教えてください。

 お世話になっていた方から、本校への入学を勧められたことがきっかけになります。当初、私自身が大学に通ったことが無かったため、卒業すること自体が難しい通信教育課程で勉強して卒業を目指すとは無謀な挑戦だ...と考えておりました。しかし、通信教育課程において学習の中心であるレポート作成が国家公務員試験の記述式試験対策になること、地方在住者でもネット環境が整っていればオンデマンドスクーリングで通学する形式のスクーリングと同じように学ぶことが可能であること、勉強をしたのであれば何か形に残したい、と考え入学を決意しました。

現在のお仕事について教えてください。

 税関の監視取締部門に所属し、社会悪物品の持込みを水際で阻止するため、外国貿易船に対する開港取締りに従事しています。税関の名称の由来でもある、輸入貨物への関税や消費税などの国税等の徴収(税)、拳銃や麻薬・覚せい剤などの国民生活の安全や健康に重大な影響を及ぼす日本に持ち込むことができない社会悪物品の密輸入の阻止・摘発(関)の「関」が主な業務であり、国家公務員として安全で公正な貿易の実現に携わる仕事です。

いつレポート学習をされていますか?

 出勤も早く職場までは車通勤のため朝の勉強時間が確保できないことから、基本的には平日の夜と土日に自宅でレポート学習に取り組んでいます。通勤時間は車を運転していることから当然勉強はできませんし、職務の性質上、勤務時間が不規則になることがあります。そのため、事前に予定していた計画通りには学習が進まないことも多々あることから、時間を見つけては学習をして出来るだけレポート作成の時間にあてています。いつからか隙間時間に学習をすることが習慣となりました。

オンデマンドスクーリングは、どんな時に受講されていますか?

 受講したい科目の短期スクーリングが地方で開催されない場合や、興味がある科目を深く学びたい思ったときにオンデマンドスクーリングを受講しています。PC とタブレットを併用してオンデマンドスクーリングを受講しています。在宅の際はPC を用いて学習し、自宅での学習が難しい場合には、タブレット端末で学習を進めています。

オンデマンドスクーリングの魅力を教えてください。

 仕事の都合や居住地から開催場所が遠く短期スクーリングを受講することができない場合でも、場所的、時間的制約に捕われることなく自身のペースで受講できることは一番の魅力であるといえます。卒業要件としてスクーリングに参加することは必須でありますが、地方在住者や自由に仕事の休みが取れない人にとっては現地に出向いてスクーリングを受講することはかなりの負担になります。自身も地方在住者のため居住地から離れた短期スクーリングを受講することは時間的・金銭的にもネックになる部分ではありましたが、オンデマンドスクーリングによって代替できたことは、上述した問題点を解消するだけではなく学習の理解を深めることにもなりました。

中大通教での、法律学習の面白さについて教えてください。

 レポート作成において「考えさせられること」が中大通教での法律学習の面白さであるといえます。レポート課題において「考察」や「検討」をすることが多く、さらには私見を述べる必要がある科目など、ただ単に参考書の要点をまとめるだけでは合格することができず、自身の頭で整理しそれをレポートに落とし込む作業が必要となります。科目の理解が不十分のままレポートを提出すれば不合格になりますが、担当インストラクターの添削は、自身の作成したレポートの文字数より多い場合もあり、そのやり取りがインストラクターとの会話のように感じるときもあります。

中大通教での学びはどのような場面で活かされていますか?

 現在の職場では主に関税法を取り扱っています。関税法は履修科目にはないため、中大通教で学んだ法律知識は実務に直結するものではありませんが、レポート作成において培われた「考える力」が職務において役立っていると感じています。税関の職務の性質上、公安職に近いこともあり相手方の行為の違法性を問うこともあります。その際には、裁判上、違法性を立証するためには証拠が重要な意義を持つのですが、自身の行為によってはこの証拠の有用性が認められない場合があることもあります。しかし、条文には具体的に書かれていないことも多いことから、法律に与えられた権限はどこまで有効なのか、それによって自身の職務遂行はどこまでが許容されるのか、を意識するようになりました。

今後の夢や目標について教えてください。

 第一の目標として卒業です。単位修得も終わりが見えており、卒業も手が届くところまでようやく来られたので、最後まで手を抜かずに頑張りたいと思います。第二の目標として、中大通教で培ったことを、職務を通じて社会に還元させていけたらと考えております。経済連携協定や自由貿易協定といった国際的な動きが税関行政に直結しており、ルールや関税率の変更は、税関のみならず通関業者の業務にまで関わってきます。業者は制度の変更や疑問点等があれば行政に問い合わせてくることから、制度への確実な理解が求められます。そのため、ただ条文や制度の説明に終始するだけではなく、相手方への制度等の理解の促進を図り、利便性を向上していけたらと思います。