在学生の声村上 大輔 さん

社会人として学んだ知識や経験を活かして、改めてなにかを学ぶことは学生時代における勉学とは違った楽しさがあることに気がつきました。

村上  大輔  さん
  • 入学:2012年4月(3年次編入学)
    卒業:2019年9月
    就学時:30歳代
    居住エリア:北海道在住
    職業:地方公務員
    (2018年12月掲載)

本学で学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

 私の場合、地方公務員という職業上から各種業務において法令に触れる機会が多かったわけですが、このこととは無関係に社会人になってから何かを学ぶこと、とりわけ大学での勉強に興味を持っていました。
 入学前に多くの大学についての情報収集をしましたが、私にとって家庭・仕事・勉強の両立ということが重要であったことから、比較的自由な時間で勉強することができる通信制大学を選択しました。その中でも、私の少ないお小遣いから学費を工面することができそうな本学を選んだことは必然でした。(笑)
 また、本学の歴史ある法学部において学べることは大きな動機のひとつでもありました。

お仕事の内容を教えてください。

現在は、いわゆる市民課のような部署で戸籍、転入、マイナンバーなどの各種業務に携わっております。

お仕事で法律に関わる事例を教えてください。

 いわゆる法務部門ではないので、あまり事例は多くないですが、市民課という性質から関係法令が多岐に及びます。例えば、市民課における一般的業務として戸籍法や住民基本台帳法などを根拠とする届出業務があります。ほとんどが一般的な届出であることから法令にあたることはあまり多くはないですが、特殊な届出のときには関係法令の解釈について関係部局と調整を図ることもあります。
 また、近年における個人情報保護の観点から、行政に対する個人情報の開示請求というものが増加しております。これについては、個人情報保護条例というものを請求事例に照らし合わせて適正に開示請求手続きを行っていくことになります。
 さらには、平成28年1月より本格運用がスタートしたマイナンバー制度への対応があります。当該制度は多くの議論がありましたので、市民からも大きな関心が寄せられた業務でした。そのような中にあっては、いわゆるマイナンバー法をしっかり解釈し、市民対応や関係部署との調整などに役立てることは、スタートしたばかりの当該制度においては、特に重要でした。

夏期スクーリングを受講された感想を教えてください。

 夏期スクーリングは、自分が学生であることを改めて実感することができる貴重なスクーリングであり、当該勉学におけるモチベーションの維持に役立っていたと感じております。私にとって、このことは大変重要であり、オンデマンドや短期スクーリングでは味わうことができなかった雰囲気があったと思います。これは受講してみて初めて分かったことです。
 また、遠方から受講していたということもあり、夏期スクーリングに臨むことはあまり容易なことではありませんでした。そのため、「どの科目を受講すべきか」ということは重要であったため、そのことに標準を合わせて年間の勉強計画をしておりました。結果として、 効率的に勉強に取り組むことができたのではないかと思っております。

レポートで不合格だった場合の取り組み方を教えてください。

 先日、選択した履修科目の全てのレポート提出を終えたところです。振り返れば、課題に対する自身の考えが浅いときには、比較的不合格であったことが多かったように思います。私のレポート作成方法は、ともかく自身の考えがまとまるまで多くの文献に触れることでした。したがって、提出レポートが不合格であったときには、さらに多くの文献に触れるように努めました。また、不合格レポートについては、なるべく早めに修正して再提出するようにしておりました。あまり間を置くと、課題内容を思い出す段階から始めなければならず、時間がもったいなく感じました。ただ、やはり不合格だったときには、なんとも言えない虚脱感からペンが進まないこともありましたが、何度もチャレンジすることが重要であると感じていましたし、夏期スクーリングまでの計画もあることから、ともかくやるしかないという状況でした。

本学で学んで役に立った科目を教えてください。

 私の場合は、「法哲学」です。業務にダイレクトに役立つものではなく、いわゆる実定法ではない分野ですが、「法とはなにか」という問題に対して、多くの学者のアプローチをトレースすることにより、公務員という立場から気づかされることや興味深い部分が多く発見することができました。
 例えば、法における正義とはなにかという問題における多くの議論や見解は、行政が抱える多くの問題を理解するうえで参考になりましたし、今後も参考にしていきたい法分野であると感じました。

一度社会を経験してから大学で学ぶこととの違いはどこにあると考えますか?

 一概には言えませんが、社会人として学んだ知識や経験を活かして、改めてなにかを学ぶことは学生時代における勉学とは違った楽しさがあることに気がつきました。
 明らかに学生時代より勉強に割くことができる時間がないのですが、そのような中で、いかに効率的に勉強をするかという点を試行錯誤しながら、こなしていくことは学生時代とは違った達成感がありました。
 また、法学部における勉強のなかでは、様々な事例を問題の中心として勉強することが多く存在しますが、社会人としての経験から比較的スムーズに事例を理解することができたと思います。

今後の目標をお聞かせください。

 当面の目標は昇任試験です(笑)。地方公務員における昇任試験は、主に地方自治法や地方公務員法といった分野から出題されます。いずれも専門的な分野であるのですが、本学で学んだ知識や経験を活かして、試験勉強に取り組んでいきたいと考えております。