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RESTUDY

卒業生の声 金子 亜矢子 さん


『もう一度卒業式に、袴を着よう。そして、袴姿で家族写真も撮ろう』
3年次編入から最短の2年で卒業。袴姿で授与式に臨み、その足で写真館に向かい家族4人記念撮影をする夢を果たすことが出来ました。

入学:2022年4月(3年次編入学)
卒業:2024年3月
就学時:50歳代
居住エリア:埼玉県在住
職業:損害保険会社⇒保険代理店勤務
(2024年5月掲載)

中大通教で法律を学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

 私は損害保険会社に勤務していたため、業務では様々な法律知識が必要となりました。交通事故の示談交渉では損害賠償に関する民法の知識、保険の販売促進に際しては相続法や租税法の知識、管理職業務では労働法の知識と、その都度必要最低限の知識を得てなんとか対応してきました。突然5年前に免疫系の重い病気を発症しましたが、体が自由に動かなくても何かできる事が無いかと考えた結果、行政書士資格に挑戦しようと決め、2度目の挑戦で合格しました。その試験勉強の中で、民法・憲法などの判例に触れる機会が多くありましたが、とても懐かしく学生時代を思い出しました。大昔にも法律をかじってはいましたが、その時は、本当にかじっただけ。社会人になるための通過点として勉強しただけです。しかし、大人になってから判例を読むと、社会の変化とともに、法律の内容や解釈にも大きな変化が生じていたことを知り、改めて現在の法律を学び直したいと考えるようになりました。大学への再入学を考えていたところ、中大通教では志望理由だけで3年次に編入できる事が解りました。また、通信制であっても高名な中央大学法学部の教授の授業を受けられると知り、わくわくした気持ちで入学を決意しました。

レポート学習に取り組まれた感想を教えてください。

 私は、保険会社勤務の経験により、【保険法】から取組みました。会議の議事録、研修レポートなど文章作成も保険法の内容の理解にも多少の自信がありました。そこで、ささっと4月5日に作成し、迷わず提出。ところが、記念すべき第1号のレポートは、不合格!となり愕然としました。8項目にわたる指摘と、レポートの書式についての基礎的なご指導を頂きました。思えば大学でレポートを作成したのは、四半世紀以上も昔のこと。基本的なルールさえ守れていない杜撰な代物だったのです。そこで、この現状では卒業どころか、試験を受けるまで辿り着けないと悟り、直ぐに導入教育A・Bの受講をしました。しかし今振り返れば、最初に不合格の判定を頂いたことで、何度でも提出して絶対合格判定を勝ち取るぞ!という反骨精神が芽生えたのですから、大変ありがたかったです。レポート中の赤ペン先生のご指導に、時に励まされ、時には「なにっ!」と口答えしながらも、指摘頂いた内容を何度も反芻しながら、再作成に励みました。自慢ではありませんが、私のレポート不合格率は優に3割はあったように思います。けれども、一念岩をも通すの気持ちで臨めば、3回目には大抵合格できます!(1つ、4回落ちた課題もあります)赤ペン先生は、生徒に足りない知識や法解釈を何とか気づかせようとして、愛の赤ペン指導をしてくださっている事を信じて頑張りましょう!

レポートはどのくらいのペースで作成、提出していましたか?また、平均的な学習時間を教えてください。

 平日は1時間半から2時間、休日は4時間程度学習時間を設けました。例えば、5月に保険法・7月に民法1の試験を受けようと計画した場合、4月中旬には、保険法レポート2つを、民法1のレポートは5月のゴールデンウィークを使って、2つ作成しよう』等と決めて、その計画に沿って作成するようにしていました。比較的、課題が難しくない科目の場合は、平日1時間から2時間教科書や資料を読んで、土日のいずれかか半日で作成しました。考えこんだところで、結果不合格になる事もあるので、課題についてそれなりに熟考したら、まずレポートにまとめて提出するように心がけました。不合格になったらなったで、愛のご指導を有難く受け止めて書き直す方が、結果的には理解も深まり良い成果を収められたと思います。また初めのうちは、文字数を2,000文字丁度位にする事に注力して多くの時間を使ってしまいましたが、慣れてくるとその分量に整えるのにさほど時間もかからなくなりました。何事も、量をこなしてコツをつかむことです。もう一つ、オンデマンドスクーリングをとった科目は、最初にノートをとりながら聞き、レポート課題に参考になる部分は更に繰り返して聞いてからレポートを作成したところ、比較的高評価を頂けました。

スクーリングの受講科目や科目試験の日程など、スケジュールはどのように決めていましたか?

 無理なく、しかし緻密な学習スケジュールを立てることが最短卒業のカギだと考えてスクーリング等の受講計画を練りました。まず最初にレポート課題の全てに目を通しました。4単位の科目であれば、課題4つを自力でレポート作成できそうかの検討をします。応用課題レポートの作成は困難だと判断した科目は、オンラインスクーリング・夏期講座・オンデマンドスクーリングのどの方法にするかを授業のスケジュール一覧を見ながら熟考しました。オンデマンドスクーリングは、同時期に3科目を限度として、受講計画を立てました。添付のように、Excelで年間スケジュールを組み、試験日から逆算してレポート作成期間を定めました。スケジュール表には、試験日やレポート提出期限、オンデマンドの申込開始日なども示し、申込を忘れたりすることが無いように、注意しました。また、レポートが合格したり、試験で単位が取れるとグリーンに塗りつぶしたり、達成感をスケジュール表の中でも味わえるように工夫しました。もちろん、レポートが不合格になり計画通りに受験できなかったことも在りましたが、全体のスケジュール感が解っていれば、焦らずに修正が可能です。最短卒業を目指す場合には、皆さんにも、1年間を通した計画を立てることをお勧めします。

受講したスクーリングの中で印象に残っている科目を教えてください。

 3年時の夏に遠藤研一郎先生の民法3(債権総論)を受講しました。双方向型のスクーリングは、それだけでも他の授業とは違った充実感がありますが、遠藤先生の債権総論は、目から鱗の授業でした。事前学習が追い付いておらず、受講開始時点では物権と債権の違いも整理がついていない状況でしたが、たった3日間の受講で『私、債権解ったかも?!』と凄く賢くなった気がしました(試験の結果、それは勘違いだったと判明!)。初日の前半で、債権とは何か等、債権の1丁目1番地から導いていただき、その後の弁済・債務不履行などに至っては、様々な事例を挙げて実践的な解説をして頂きました。3日間に執ったノート34頁を、読み返したところ「こんな難しい事も教えてもらっていたのに、忘れていたわぁ」と反省する始末でしたが、先生の声や表情は昨日のことのように蘇りました。事例問題では、ひとりの落ちこぼれも出さないぞ!という位の熱量で、私たちに理解できるよう噛み砕き、図解し、ちょいちょい小ネタも挟んで解説してくださいました。午後の時間帯でも、睡魔に誘われる生徒は誰も居なかったのではないでしょうか?そして、卒業式では、現在は法学部長でいらっしゃるリアル遠藤先生からのご祝辞を賜り、とても光栄でした。

2年間の最短卒業をされていますが、モチベーションはどのように維持していましたか?

 私は、願書提出時に58歳でしたので、60歳で卒業できたら還暦の記念になるなと漠然と思いました。そして卒業の日をイメージしたところ、20代の卒業式に武道館前で撮った袴姿の写真を思い出しました。久々に見返しながら、『もう一度卒業式に、袴を着よう。そして、袴姿で家族写真も撮ろう』と決意しました。友達に話したら「コスプレかよ?!」と笑われましたが、写真を撮るなら1歳でも若いうちに実現させたいと思い、最短2年での卒業に向けて着々と学習計画を練り準備をしました。学習計画表も、手元に置きながら、「1つレポートが通った!」「1科目パスした!」と家族にも報告しつつ、コスプレ撮影への道程を歩んでいるという達成感を味わいながら学習しました。最後の1月の試験では、1科目を落としても卒業が出来るように、4単位分の余裕をもって試験に臨みました。試験の結果が出るまでは、袴のカタログを見たり着付けやヘアメイクをしてくれる池袋のお店を探しながら、『もし留年せずに済んだならば、1年間分の授業料8万円が浮く分豪華にお祝いしよう!』と考えて過ごしました。80単位で卒業。袴姿で授与式に臨み、その足で写真館に向かい家族4人記念撮影をする夢を果たすことが出来ました。

中大通教で体系的に法律を学んだことで、ご自身に変化はありましたか?また、お仕事や日常生活で役に立ったことや良かったことはありますか?

 私は、この2年間「趣味は勉強!」と敢えて周囲に公言して勉強時間を確保して過ごしました。そのため、昼休みにオンデマンドスクーリングの復習をしていても、同僚達は好意的に接してくれました。また、家族もレポート作成中は、私に用事を頼まずに家事を引き受けるなど応援してくれました。この様に協力的な環境で学べた事で、レポートの不合格に藻掻いている時でも、決してネガティブにならずに勉強を続けられたことに、まず感謝です。また、難解だった国際私法で単位が取れたことでは、自分に自信が持てました。国際私法は、教科書を読んでも全く理解不能で、何から勉強すべきかと悩みました。最も初心者向けであると評判の高い【国際私法(有斐閣ストゥディア)】を3回通読し、漸くレポート課題の内容が理解できた次第です。この頃はD評価であっても、へこたれない精神力が培われていましたが、恐る恐る提出したレポートが、A評価で返却されたことで、逃げずに向き合う時間や、悩み考え抜く大切さを改めて感じました。業務においても、保険約款を解釈する際に、『この免責条項は民法のあの規定が背景にあるからなのだなぁ』などと頷けるようになったことも収穫のひとつです。

今後の夢や目標を教えてください。

 行政書士試験には合格しましたが、もっと法律の知識を得て自信をつけてから行政書士の登録を行いたいと考えていました。保険の仕事に従事する中で、独り暮らしの高齢者の方が、大変多い実態に驚きました。そして、建物や財産の相続の際に、事前の準備がなされないまま所有者が認知症となってしまい、手続きが困難を極めるケースにも遭遇しました。また、学習障害のお子さんはクラスに10%程度もいると言われる社会で、財産管理が難しいお子さんのいらっしゃる方は、その将来を大変に心配されるだろうと思います。ですから、今後は家族信託についての勉強もして、行政書士としての活動ができるように準備したいと考えています。すでに子育ても終え、生活の基盤を築く事ができましたので、これからは社会への恩返しの気持ちを持って、家族信託に関するお手伝いをさせて頂けるようになることが、今の私の目標です。

入学を検討している方にメッセージをお願いします。

 中央大学法学部は、誰もが知る歴史あるハイレベルな学部です。そんな大学を卒業できるのかと、不安に思う方もいらっしゃるかも知れません。しかし、法律を学んでみたいと思う人に、広く門戸を開けて、学びの環境を与えてくれるのが中大通教です。学生であることを楽しみながら自分のペースで学びたい人、自分が成し遂げたい事への通過点として法学部を卒業したい人、入学を検討する理由も様々でしょう。そんな多様なニーズに応えて、法律を学ぶチャンスを与えてくれるのです。働きながら学ぶ事は、時間の創出も含め大変です。しかし、多くの人は自分の趣味のためには、寝る間も惜しまないのではないでしょうか?そして、仮に寝不足で朝を迎えたとしても、充実した時間を過ごせたことで心のリフレッシュができるのではないでしょうか?『まぁ卒業までには、10年間の猶予があるさ』と割切れば、そこまで追込む必要もないでしょう。しかし、始めるなら早いに越したことはありません。今日が、貴方は一番若く、脳のシナプスも元気なハズです。1年間8万円という学費の安さも、「行動する知性」をユニバーシティメッセージに置く中央大学からの学生へのエールだと思います。卒業証書を胸に抱く姿を想像して、法律を学ぶ初めの一歩を踏み出してください。