卒業生の声 高野 浩之 さん
卒業することは一つの大きな成果ではありましたが、この歳で学びの面白さに触れる機会を得られるだけでも、チャレンジしてみる価値はあると思います。
入学:2020年4月(3年次編入学)
卒業:2025年3月
就学時:40歳代
職業:外資系生命保険会社社員
居住エリア:宮城県在住(入学時は東京在住)
(2025年4月掲載)
卒業:2025年3月
就学時:40歳代
職業:外資系生命保険会社社員
居住エリア:宮城県在住(入学時は東京在住)
(2025年4月掲載)
中大通教で法律を学ぼうと思ったきっかけを教えてください。
6年ほど前、メンタルの体調不良でしばらく休職した時期がありました。幸い、症状はほどなく軽快し、復職を目指していた頃に、それまで自分の社会人になってからのキャリアを振り返ると惰性に任せて何一つ新たな学びの機会やスキルアップになるようなことに取り組んだ記憶がないことに気付き、この機会にそのようなことを考えたことをきっかけに、どんな小さなことでも良いので何かを始めたいと思いながらその何かを探していました。参考書を読んですぐに自分で受けられる資格を取ってみたりしましたが、何かもう少し違うことがないかと探して、社会人大学院なども目に入りましたが、まだ、大学生になる子供を抱える身としてはとてもそのような余裕もなく、何かないかと探しているところで目に入ったのが、電車で見つけた中央大学法学部通信教育課程の広告でした。「人生を変える8万円。知ってる人は始めてる」といったメッセージに何か惹かれるものがありました。なんとなく「中大法科」というだけで独特の響きを感じて、入学案内を探しに勤務先から近かった市谷田町キャンパスに出向いたのを覚えています。秋入学のタイミングにギリギリ間に合わず、一度足踏みしましたが、たまたま次の春入学までの間に、社内異動がありコンプライアンス関連の部署への異動が決まったこともあり、法律について興味が少し高まり、小さな勇気を振り絞り、2020年4月の春入学に出願することを決めました。きっかけはそんな程度の軽い気持ちでからでした。
レポート学習に取り組まれた感想を教えてください。
最初は実際にどのように学習を進めるのかをあまり理解していないまま入学してしまったように思います。教科書・参考図書を自分で読んで内容を理解し学習を進めて、その成果をレポート課題に取り組むことで確認する、ということが学習の基本であることを改めて理解し、仕事をしている中で非常に分厚い教科書・参考図書を全部読んで、内容を理解し、その内容を前提にレポート学習を進めるということが、当初は全くペースが掴めず、苦労した記憶があります。ただ、偶然にも入学したタイミングでコロナ禍にどっぷりと浸かり自分も出社禁止となったため、自宅で在宅勤務を過ごす時期が続いたため、自宅で学習をする時間を取ることが出来るようになったタイミングでした。初めのうちはそれでも何をどう読んでどう解釈してレポートに挑むのかがなかなかわからず、どのように2,000字の原稿にまとめるのかが全く分かりませんでした。それでも、レポート課題につながる部分から教科書などを読んで、レポートを書き始める糸口を見つけられるようになってから、ようやく少しずつ光が差してきたような気がしました。加えて、学生会支部という存在を知り、様々な支部で実施される学習会がそのころはコロナ禍の影響もありオンラインで聞かせていただけるものがあり、自分で書籍を読むだけでなく、講師や教授の皆さまのお話を聞きながら学習するという機会にも触れられ、少しずつ課題を書き上げられるようになりました。
レポートはどのくらいのペースで作成、提出していましたか?また、平均的な学習時間を教えてください。
3年次編入をしたので、最短であれば2年で卒業もできる、と安易に考えていましたが、振り返って当時の記録を見ると、1年目はなんと3科目しか単位を取れていませんでした。やはり、教科書等を読んで、レポート学習に向き合い課題に取り組むという自学自習を甘く考えていた節もあり、しばらくはレポート作成も異常に遅かっただろうと思います。2年で卒業されたような方とは違い、非常にスローなペースで学習を始めていました。2年目に入りさすがにこのままでは最短卒業などもっての外、卒業も覚束ないのではないかと思って、スクーリング(当時はコロナ禍の影響で大半がオンラインスクーリングでしたが)も活用して学習を進めるようになりましたが、学習時間としては、平日は自宅での仕事が終わった後の長くても2時間程度、他には休日に教科書を読んでレポートを書いたり、オンラインでの学生会支部の学習会に参加したりするなどのインプットをしていました。そんな調子だったのでレポートも少ないときは1ヶ月あっても1本出せるかどうか、でも頑張ったときでも月に2本程度、というのが実際のペースでした。
スクーリングを受講されてみていかがでしたか?
スクーリングには週末を2回ほどかけて受講する短期のオンラインスクーリングや夏季の通学による対面スクーリングなどに参加しましたが、やはり、自分で書籍や判例、六法と向き合うだけの学習よりは生で話を聞けるスクーリングは非常に勉強になる時間でした。文字を読むだけでは吸収できない様々な情報が目と耳から入ってくるスクーリングは大学生としての学びの機会として非常に意義深いものでした。さらに中大通教では実際の学部の教授や講師の皆さまが教鞭を取っていただけるので、とても中身の濃い授業がたくさんありました。コロナ禍の期間中が多かったこともあり、オンラインスクーリングでの受講が多かったため効率的であった半面、自分は対面で他の通教生と交流懇親する場を増やせなかったのは少しだけもったいなかったと思いますが、そのような機会を多くつくられている方もいらっしゃるようですので、スクーリングへの参加は是非お薦め出来ると思います。
スクーリングの受講科目や科目試験の日程など、スケジュールはどのように決めていましたか?
まずは科目名を見て興味のある科目について優先的に情報収集し、シラバスやレポート課題などを見ながらある程度当たりを付けて、選んでいったと思います。その中でスクーリング日程なども見ながらスケジュールの重複なく受講できるかなどを見ながら科目選択をしていったと思います。その中でスクーリングによるレポート免除をうまく活用しながら、スクーリング日程を優先して試験合格を目指し、その中で科目試験の日程も見ながら1年間のスケジュールを一旦決めていました。とはいっても1年目はそんなに計画的にスケジュールを組めた訳ではなく、試行錯誤をしながらでしたし、実際に単位の取得も全然進みませんでした。私のように専門的な法曹試験受験を前提にするのではなく、法的思考に触れてみようということで仕事を持ちながら並行して受講することを考えている方は科目試験にガッツリ向かうのは正直厳しいと思いますので、授業を聞きながら受講でき、単位取得にもレポート免除などもある各種スクーリングの受講を有効に活用するのが良いと思います。
お仕事をされながら、学習を両立させる上で、心掛けた事などありましたら教えてください。
なかなか時間を決めて定期的に計画的に受講を進めるのは難しかったと思います。毎年4月前後に自分に都合のいい計画を立てていても、やはり、その通りには進まないことが非常に多いので、常に自分の進度を定期的に見直して、計画の修正などをしていかないと、通学生のようなフルタイムの学生とは違って、メインの職業を持っている中では強制力も弱くなかなか計画通りには学習が進まないと思います。そのために2年で卒業される方も多数いる中で自分は5年も掛かって卒業することになってしまったので、その点は心がけていながらも思うようには出来なかったところだと思います。ただ、学生会支部のオンライン学習会などには出来る限り参加するようにはして法律の世界には触れるようしていたので、卒業したいという気持ちだけは無くさないようにしていたと思います。
中大通教で体系的に法律を学んだことで、ご自身に変化はありましたか?また、お仕事や日常生活にどのようなメリットがありましたか?
誤解を恐れずに正直に言うと通教で学んだことがしっかりと身に着いて、日々の仕事にとても役立っています、ということはないと思います。卒業して法学士の学位をいただきましたが、それが自分の仕事に必須な資格ということもなく、通教で学んだことが直接仕事の成果を引き上げたというものではありません。ただし、それはもちろん直接的にという意味であって、やはり仕事の中で法律を意識する機会や原理原則に基づいて物事を考えるときに、今回の中大通教での学びで触れた法的思考が何らかの役に立っているだろうと感じることはあります。そして、自分の変化というより、周りの変化という面では、今回中大通教を卒業できたことを勤務先の上司に報告したところ自分が思っている想像をはるかに超えて、卒業したことを評価してもらえたことが一番の驚きでした。なぜかというと、自分ではMBAを取ったとか、公的な士業の資格を取った訳でもなく、社内では基本的にはほとんどの人たちが一度は大学を出ているはずなので、それほど人の目に留まるようなことではないと思っていたからです。そのようなお声を聴くことがあってからは、日々の仕事がある中で、どんなことであれ、あるいはどれだけ時間がかかったとはいえ、卒業出来たという成果には自分でも少しは自信をもってもいいのかなあと感じています。そして、今回、中大通教に入学したことで、自分がこの歳になっても新しいことを学ぶことにまだまだ興味が持てるということに気付けたことは発見・収穫だったと感じています。
今後の夢や目標を教えてください。
今回、ようやく子供たちも大きくなり、休日などに子どもに関わる時間が少なくなってきたタイミングだったこともあって中大通教に入学し、休日は教科書を読んだり、レポート課題に取り組んだり、とそんなことをしながらも5年掛かってしまったことを思うと、中大通教の卒業をするだけでも仕事をしながらの学びはとても大変だということを感じました。ですので、今の時点では、このまま新たに司法試験に挑むとかその他の法曹資格に挑むといった強い志はありません。でも、この学びの機会を得た事で気付いたこともありましたので、今後も自分のペースで新しいことに触れる機会を持つようにゆったりと学びに向き合っていこうと思っています。そろそろ勤務先でも定年が見える年代に入ってきていることもありますので、仕事もしっかりとやりながら、自分の時間を学びにも遊びにもバランスよく当てながら充実したこれからを過ごしていければ、というのが今の細やかな目標です。
入学を検討している方にメッセージをお願いします。
「中大法科」というとそれなりの敷居の高さを感じる方も多いのかと思います。中大通教への入学、学習をきっかけにその先につながる法曹の世界に挑んで卒業後に司法試験の合格を手にされたという方もいらっしゃるようですので、少し二の足を踏む方もいると思います。でも、私のように、高い志がなくても、自分がその気になって、手続きさえできれば、学びの世界に飛び込むことはとても簡単です。手間が掛かるといえば、出願することとお金を払うこと、くらいだと思います。きっかけはとても些細なことでもいいと思いますし、私のように卒業するだけでも精一杯で、半ば卒業することが目標になってしまったということでもいいと思います。私は最短2年のところ5年掛かりましたが、実際はあと5年の猶予はあったので、マイペースで仕事と並行しながら毎年数単位の取得をするという形でも卒業という結果にはたどり着けると思います。また、卒業することは一つの大きな成果ではありましたが、この歳で学びの面白さに触れる機会を得られるだけでも、チャレンジしてみる価値はあると思います。ぜひ、迷っている方には一度飛び込んでみることをお勧めしたいと思います。