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卒業生の声 M.K.さん


仕事面では、法学を学んだことから新たな業務に携わるようになり仕事の幅が広がり楽しくなりました。そして、60歳を目前に法学に挑戦し、卒業までやり遂げたことは、大きな達成感と誇りにつながっています。

M.K.さん

入学:2022年4月(3年次編入学)
卒業:2025年3月
就学時:50歳代
職業:事務職員
居住エリア:神奈川県川崎市在住
(2025年4月掲載)

中大通教で法律を学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

 法律を学ぼうと思ったきっかけは、国際的な人権基準と照らし合わせたときに、日本の制度運用に課題があると感じたことです。たとえば刑事手続では、被疑者の長期勾留や、否認事件においては接見禁止によって家族との面会すら長期間にわたり認められないといった、いわゆる「人質司法」と呼ばれる運用があり、家族法の分野でも、別居親と子どもとの交流が断たれ、継続的な関係を築くことが難しい例が見られます。こうした日本独自の運用の背景にある社会の価値観を、法律を体系的に学んで理解したいと考えるようになりました。中央通教を選んだ最大の理由は、スクーリングが充実しており、仕事を継続しながら学びを進められる環境が整っていることです。加えて、3年次編入が可能な点や、授業料が比較的抑えられていること、卒業論文が必須ではない点など、初学者として法学を学ぶ上で無理なく学修のステップを踏める制度設計にも安心感がありました。また、二人の子どもが独立し、自分の時間を持てるようになったことも、リカレント学習を始めるうえでの大きな後押しとなりました。

レポート学習に取り組まれた感想を教えてください。

学習机

 大変ではありましたが、私は全科目でスクーリング制度を活用することで、効率よく、そして楽しくレポート学習に取り組むことができました。課題の選択においては、「基礎的な問題」が「応用的な問題」よりも手ごわく感じられることもありました。うまく書けないときに「とりあえず提出する」という考え方もあると思いますが、私はすぐに出すのではなく、構成を練り直したり、何度も推敲したりすることを心がけていました。合否にかかわらず、このプロセスそのものが、論理的思考力を養う貴重な学びになっていると、今では実感しています。

レポートはどのくらいのペースで作成、提出していましたか?また、平均的な学習時間を教えてください。

 レポートの提出ペースは、スクーリングの受講スケジュールが軸となりました。たとえば、対面スクーリングを申し込んだ際には、「受講日までにレポート2本を合格する」を目標とし、そこから逆算してレポート作成を心がけました。作成にかかる期間は科目や課題によりますが、難易度が高いものは1か月以上、慣れてくると1か月に2本提出できることもありました。平均的な学習時間は、平日は1〜2時間程度、週末は5〜8時間程度です。

スクーリング試験を受ける際、特に重要だと感じた学習方法はありましたか?

 「道しるべ」を参考に過去問や自作の演習問題で答案構成、時間配分に慣れておきます。また、論点ごとに関連条文やキーワードがすぐ思い出せるように対策して臨みました。

受講したスクーリングの中で印象に残っている科目を教えてください。

 特に印象に残っているのは、森光先生によるハイブリッド型の「西洋法制史」の授業です。法律基本科目から少し離れた科目として履修したのですが、森先生の西洋法制史に対する深い愛情と情熱が伝わってくる授業内容に引き込まれました。

働きながら学業を両立させる上で、特に工夫されたことは何ですか?

 仕事で疲れた日は、勉強せずに早めに就寝し朝勉に切り替えました。また、リーガル・リサーチから重要判例(判例百選)の2ページを印刷し通勤電車内で読むなど、隙間時間を活用しました。

中大通教で体系的に法律を学んだことで、ご自身に変化はありましたか?また、お仕事や日常生活にどのようなメリットがありましたか?

参考書やレポートが並んだ本棚

 法律を「体系的に学ぶ」その意義を少しずつ実感するようになりました。たとえば、入学前から関心のあった「人質司法」については授業で直接扱われませんでしたが、憲法や行政法、刑事法などを学ぶなかで、国家権力のあり方を広い視点から考える力が養われてきたと感じています。法律は国家権力を制限し、市民の自由や権利を守るための仕組みであるという理解が深まり、「法の支配」が現実においてどう揺らぎ得るのかにも目が向くようになりました。仕事の面では、法学を学んだことを上司にアピールしたことが奏功し、新たな業務に携わるようになり仕事の幅が広がり楽しくなりました。そして、60歳を目前に法学に挑戦し、卒業までやり遂げたことは、大きな達成感と誇りにつながっています。

今後の夢や目標を教えてください。

間もなく定年を迎えますが、これまでの職務経験や法の学びを活かし、定年後も社会に貢献できる役割を見つけられればと考えています。

入学を検討している方にメッセージをお願いします。

 初めて教科書を手に取ったとき、「私には無理かもしれない」と感じたことを覚えています。しかし、教科書は専門書ですから、難しく感じるのは当然ですし、レポートや試験で思うようにいかないことは、誰もが経験することです。落ち込んだときには、通学スクーリングで出会った、先輩の学友に、何度となく励ましのメッセージをもらい支えてもらいました。私は教養として法学を学ぶことを目的としており、決して深く掘り下げて学んだとは言えませんが、自分なりに向き合ってきた時間は、経験として確かに残っています。中大通教は、年齢や職業に関係なく「学びたい」という思いがあれば、初めて法律を学ぶ人にも“学び”の機会を開いてくれる場所です。しんどい場面も正直ありましたが、それでも、学んでよかったと思える経験でした。法的な視点を持つ人が増えることで、社会全体の議論の質が高まり、より建設的な対話が可能になると感じています。こうした法学の知見が広く社会に共有されていくことは、より良い民主主義の土台にもつながっていくのではないでしょうか。だからこそ、「学んでみたい」という気持ちがある方には、ぜひその一歩を踏み出していただきたいです。