卒業生の声奥田 香澄 さん

法学は社会で実務に携わっている人こそ、学ぶべき学問だと感じます。リカレント教育の必要性が叫ばれて久しいですが、中大通教には体系的かつ本質的に学問を学ぶことができる環境が整っており、門戸も広いため、迷われている方にはぜひ一度飛び込んでいただければと思います。

奥田 香澄 さん
  • 入学:2020年4月(3年次編入学)
    卒業:2023年3月
    就学時:20歳代
    職業:団体職員
    居住エリア:東京都在住
    2022年度に成績優秀者・総代として卒業。
    (2023年5月掲載)

法律を学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

 入学時は商社の営業部門で海外子会社の立ち上げに携わっていました。現地企業との合弁契約や会社定款の作成を営業の立場から担当していましたが、相手方とのバランスの取り方や日本企業が海外で法人を設立する際の障害にぶつかる度に、法務知識の必要性を感じるようになりました。当初は実務の他にビジネス実務法務検定の受検を通して勉強をしていましたが、体系的に知識を身につけたいと考え入学を決めました。 

中大通教を選んだ決め手は何ですか?

 社会人生活が6年程経ち、ぼんやりとまた大学や大学院で学びたいと考えていた頃でもあったのですが、学費を払って学ぶ意義や、仕事との両立という点がネックでした。中大通教の卒業生には司法の道で活躍している方も多いことから、有意義な学びが期待できた点が一番の決め手です。費用面では他の大学・院と比較して最も入りやすく、その代わり卒業は難しいという意見も目にしましたが、入学時はコロナ禍初期で、少なくとも向こう1年は仕事に大きな動きもなく腰を据えて勉強ができるだろうと考えました。

レポートはどのくらいのペースで作成、提出していましたか?

 レポートは月2本の合格を目安に作成していましたが、1月から5月の科目試験の間はあまりスクーリングを入れず、レポート作成に集中する期間として月4本以上の提出を目標にし、5月にできるだけ多く科目試験を受けられるように準備しました。最初に提出した「法学入門」のレポートは2度不合格になり開始早々苦戦しましたが、ここで法学の考え方の基礎を学び、また法学の教科書を読むことにも慣れたことで、次第にレポート作成がスムーズになっていきました。 

在学中に印象に残っている出来事を教えてください。

 私はレポート学習が中心でスクーリングの受講が少なく、また今となってはもったいないことですが、学生会支部の学習会にも参加をしていなかったため、他の学生の方との関わりがありませんでした。その中で、刑法総論のスクーリングで質疑応答の際に、受講生の多くがしっかりと予習をした上で先生に様々な疑問を投げかけている様子を見て、自分の学習が教科書を表面的になぞったものであったことを痛感させられ、とても刺激になりました。その他にも、スクーリングでの関わりはなかったものの、SNS上では中大通教の学生同士で情報交換が活発に行われており、同じ通教生が熱心に学習に励まれている様子を知ることも学習を進める上での励みになりました。また、科目試験と海外出張が重なってしまい、トランジットの時間を使って空港のベンチで六法をめくりながらオンライン試験を受けたことも思い出です。

受講するスクーリングの種類、科目はどのように選んでいましたか?

 自分が最も興味のある科目、その中でもレポート学習では理解するのが難しいと考えたものや参考文献の数が少ないものを優先してスクーリングを受講しました。スクーリングでは先生が難しい概念を噛み砕いて説明していただけるため、すとんと理解を定着させることができました。とりわけ西洋法制史は、教科書を読んだだけでは難解だったのですが、スクーリングでは日本法とローマ法の関係とその成り立ちをローマのワイン貿易やポンペイ遺跡等の例を用いて解説していただき、理解も興味も深まりました。

平日と休日、それぞれの平均的な学習時間を教えてください。

 平日にあまり時間が取れない分、レポート学習は主に休日に1日4時間程度を確保して集中して取り組み、試験前の2週間は平日も毎日1時間を、過去の科目試験問題を解くことに充てました。過去問を解くことでレポート学習の他にも重要な論点を多く学ぶことができたと思います。

中大通教で体系的に法律を学んだことで、ご自身に変化はありましたか?また、お仕事や日常生活にどのようなメリットがありましたか?

 在学中に転職し、現在は行政機関にて主に海外向けのプロモーションに従事しています。民間企業に所属していた時と比べ、より様々な規程に則り日々の業務を実施することが求められ、それらの規程は法を根拠にしているものが多いため、規程を確認する際にはここに書かれている文言の本質は何か?という点で法学の考え方が役に立っています。 また、日常生活ではニュースを見る際に「これは違う見方ができるから、ここでコメントされているよりも実際はもっと複雑な問題なのでは?」というように、より多角的な考え方を得られたように思います。

今後の夢や目標を教えてください。

 私自身の中大通教での学びは、法律の知識を得ることもさる事ながら、法的思考力を身につけることにあったと考えています。現在の所属においては海外駐在で労務・人事や契約に直接携わる機会もあるため、その際には身につけた法的思考力を実務に活かして適切な判断をできるようにしたいと思います。また、将来的には大学院への進学も視野に入れています。

入学を検討している方にメッセージをお願いします。

 法学は社会で実務に携わっている人こそ、学ぶべき学問だと感じます。リカレント教育の必要性が叫ばれて久しいですが、中大通教には体系的かつ本質的に学問を学ぶことができる環境が整っており、門戸も広いため、迷われている方にはぜひ一度飛び込んでいただければと思います。