卒業生の声匿名さん

大学で学ぶことで、「この条文は本来こう書かれるべきものだった」のような自力でたどり着くにはどれだけの時間がかかるか想像もつかないような情報が得られました。

匿名さん
  • 入学:2016年10月入学(1年次入学)
    卒業:2022年9月
    就学時:40歳代
    居住エリア:神奈川県在住
    職業:会社員(米軍基地勤務)
    (2022年11月掲載)

現在の職業・仕事についてお聞かせください。

 昨年異動し、現在は在日米軍法務顧問室にて、外国人弁護士のアシスタントをしています。日本の法律知識が必要になることは多くはありませんが、法律を学習する中で培った考え方は、外国法に接するときにも大きく役立っていると感じています。 

法律を学ぼうと思った時期やきっかけを教えてください。

 入学のきっかけは、法務部に異動したことでした。当時は今とは別のオフィスで、主に個人の相談を受ける部署で受付と事務を担当していました。法律知識が必須ではなかったのですが、弁護士同士の会話を聞き、なぜそのような結論になるのか、その理屈を知りたいと強く思ったことを覚えています。2016年4月の異動後、すぐに都内の通信制大学、行政書士試験のためのスクール、独学方法などを調べ始め、通信制大学で法律を学んだ先輩方にも相談し、その年の10月に入学しました。
 他大学も検討しましたが、中央大学の通信教育課程は法学部のみであったことが、最終的な決め手になりました。スクーリング等で会う人たちが皆同じ学部で学んでいることは、モチベーションの維持と情報交換のしやすさでアドバンテージがあると思ったからです。

仕事で必要に迫られた一部の法律の知識を学ぶことと、大学で体系的に学ぶことの違いはどこにあり、どのような意義があると考えていらっしゃいますか?

 入学当時の仕事では、家族法と国際私法に関わる話を見聞きすることがよくあり、具体的な手続きなど、実際に関わる中で覚えたことも多くありました。自分が直接見聞きし、調べた内容はよく覚えています。ただ、大学で法律の全体図や各法律の成り立ちと変遷、憲法との関係などを学んでいなければ、知識や経験の応用ができず、そもそも知りたいことの調べ方もわからないままだったのではないかと思います。
 大学に入学しても、もしレポート提出と単位修得試験を繰り返すだけであれば、大学とその他の学び方との違いはあまり大きく感じられなかったかもしれません。ですが、スクーリングでは直接質問できるのはもちろん、「この条文は本来こう書かれるべきものだった」のような、自力でたどり着くにはどれだけの時間がかかるか想像もつかないような情報が得られ、また、考え方の幅を広げてくれるような本の紹介なども大変参考になりました。また、とても楽しそうに講義をしてくださる先生方の人間的魅力にも大きく影響を受けました。そしてもちろん、職種や年齢も様々な仲間の存在、充実した図書館を持つ大学キャンパスという環境も、大学でなければ得がたいものだったと思います。 

仕事と学習を両立させるポイントを教えてください。

 初めのうちはあまり工夫らしい工夫をしていませんでした。先輩からの「レポートは計画を立ててそれを必ず守ること」という助言を守るように努めたくらいです。ですが、在学中に2度、病気のため予定通りに進められなくなった時期があり、それからは予定どおりに進まなくなったときのための予備日を考慮するようになりました。
 また、Googleカレンダーは主に申し込み締め切り日のリマインダーとして利用し、日々の具体的な計画にはカレンダーを自作して、試験日からの逆算でレポートにかけられる日数が俯瞰できるようにしていました。数字よりも、視覚的な長さや色などで直感的に確認できるほうが自分には向いているので、これを壁に貼り出すことで進捗が分かりやすくなったと思います。 

通学課程の授業を受講する「通学スクーリング」を受講した感想をお聞かせください。

 何よりも、勉強するための環境が整っていることにとても興奮したことを覚えています。当たり前と言われればそのとおりなのですが、高校以来の、勉強に集中できる時間と環境が得られたことに感動していました。興味深い科目が多く、通信教育課程にない科目を履修できたことが大きな収穫でした。また、勉強する範囲も広く、短期スクーリングで「もっと聞きたい、知りたい」と思っていたことが満たされた思いでした。
 ただ、予想されたこととはいえ、休職のため収入が途絶えること、時間割に従って多摩キャンパスまで通うこと、特に慣れないラッシュ時の電車通学の負担など、生活スタイルの変化はそれなりに大きかったです。

モチベーションはどのように維持していましたか?

 レポート作成については、試験日が迫っているものから先にとりかかるようにはしましたが、気分転換に途中で他のレポートを書くこともありました。煮詰まると他大学で勉強していた先輩や同僚と進捗を言い合い、刺激を受けてモチベーションを保ったことが大きかったです。入学のきっかけもそうでしたが、やはり一番のモチベーションは「人」だったと思います。自分一人でモチベーションを高める方法としては、運動して頭をすっきりさせるのが一番効果的だったように思います。

今後の目標や夢をお聞かせください。

 現在の仕事に最も関連する分野が労働法なので、社労士の勉強をしたいと考えています。

中央大学法学部通信教育課程で学ぼうと考えている方や入学を迷っている方にアドバイスをお願いします。

 コロナ禍のため対面でのスクーリングの機会は減っていますが、機会をみつけてできるだけ参加し仲間を作ってください。そこで会う人全員が同じ法学部だというのは、他大学の通信教育課程にはない強みだと思います。出会った友人とは、仕事仲間や趣味友達とも違う、同士のような存在として長く付き合えるはずです。
 近所に図書館がない、書籍にあまりお金がかけられないという不安のある方も、中央大学の図書館が提供しているサービスで、学術書のデータベースにアクセスできるものもありますので、これに通教が提供している法情報データベースにアクセスできるサービス(リーガル・リサーチ・有料)を組み合わせれば、ネット環境がある限り、レポートを書くのに必要な資料はほとんど揃えられるはずです。
勉強自体は何歳からでも始められますが、六法、教科書、ノートなどを持って多摩キャンパスに通うなど、続けるには体力が必要です。通学スクーリングを受講できるチャンスのある方には、1年でも早いうちに、とお勧めしたいです。
 コロナ禍で計画通りに進まないことも多いですが、がんばってください。応援しています。