卒業生の声杉田 直也 さん

仕事で得られないような新たな知識、スキルを身に付けることができ、自らの生き方や働き方の選択肢を増やし、人生の幅を広げることに繋がると考えます。

杉田 直也  さん
  • 入学:2019年4月(3年次編入学)
    就学時:30歳代
    居住エリア:東京都在住
    職業: 金融機関勤務
    (2022年11月掲載)

現在のお仕事の内容を教えてください。

 現在、金融機関の営業職に従事しており、法人や個人のお客様のもとへ訪問し、融資や預金のご相談に応じる他、お客様の経営課題解決のためのサポート業務を行っています。また、営業チームの責任者として、若いメンバーの育成と業務のサポートに携わっております。

他大の法学部を卒業され法律に関わる資格試験にも合格されていらっしゃいますが、あえて本学で学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

 私は元々、中大通教への入学前に、他大学の法学部法律学科を卒業しました。就職活動を経て、金融機関に就職し、仕事に従事する中で、幅広い知識が求められるシーンに何度も遭遇し、社会人になってからも学び続けることの重要性を感じていました。その中で、仕事に活かすべく、働きながら宅地建物取引士や行政書士試験に挑戦し、幸いにも1回の試験で合格することができました。しかしながら、資格試験では、「試験に合格するための勉強」になりがちで本当の意味において、体系的に法律を理解できているかを問われると不安な部分もあり、もう一度、法律を学び直す機会を探していました。
 そんな頃、電車やインターネットで、「人生を変える8万円。知ってる人は始めてる。」というフレーズがたまたま目に映りました。すぐにインターネットで詳細を調べると、基本授業料(年額)8万円の他、卒業のためのスクーリング費用等が別途発生しますが、法学部や法科大学院の専任の教授陣による法学部通学課程と同水準の法学教育が提供され、「学士(法学)」の学位が授与されることを考えると相当リーズナブルに感じられました。
 また、私自身、他大学付属校からの内部進学だったこともあり、学生時代は、大学受験を経験しませんでした。以前から伝統と実績のある「法科の中央」で法律を学ぶことに漠然とした憧れを持っており、法律を学び直すならこのタイミングと一念発起したこともきっかけです。

初年度はレポート学習や科目試験受験など、制度を理解し学びを生活の中に含めていくことに苦労されたと思います。学びを継続できたコツやターニングポイントなどを教えてください。

 初年度は、特に仕事と学びの両立に苦労し、レポート学習や科目試験受験など、制度の理解に時間を要しました。学びを継続できたコツは、朝の仕事の出勤前、終業後の時間や休日の時間を活用して、「今日は必ずこの科目についてここまで学習する」と自身に言い聞かせ、明確な目標設定のもと、習慣化し実践できたこと、スクーリングや科目試験の日程を逆算した学習活動(いつ:スクーリング受講、科目試験受験→そのためにいつまでにレポートを合格させる)が行えたことだと思います。
 学びのターニングポイントになったのは、商法(総論・総則)の対面形式のスクーリングに参加したことです。普段は、通信教育の性質上、単独の学習がほとんどですが、対面形式のスクーリングに参加したことで、私と同じように働きながら学習する仲間が多くいることを実感できたこと、私よりも年齢の上の方が熱心に学習されている姿を目の当たりにすることで学習へのモチベーションが高まりました。

入学したコロナ前の2019年は対面形式のスクーリング、世界的な流行期にはオンラインやオンデマンド形式でのスクーリングを受講されていらっしゃいます。その時に選択肢はなかったためですが、振り返って比較するとそれぞれのスクーリングにどのようなメリット・デメリットがありましたか?

 対面形式のスクーリングは、やはり、教員を目の前に受講する臨場感、真剣に取り組む仲間たちと共に学習することがメリットと感じます。デメリットは、働きながら学習する社会人としては、対面形式のスクーリングに参加するための日程調整が難しいことだと考えます。
 オンライン形式、オンデマンド形式のスクーリングに共通するメリットは、自宅にいながら受講可能であり、自分にあった学習スタイルで取り組めることです。私は、ほとんどの科目でこのオンライン形式、オンデマンド形式のスクーリングを活用し、学習を継続することができました。デメリットは、他人の目があるわけでは無いので、どうしても途中で自身の集中力が切れてしまう時間帯があることです。

本学で学んで印象に残っている科目や教員のエピソードを教えてください。

 印象に残っている科目でいえば、自身の仕事柄、民法、商法(会社法)、民事執行・保全法、環境法などが身近に感じられましたが、特に憲法と民法3(債権総論)が印象的です。
 憲法は、国の最高法規であり、あらゆる法規範の基礎にあるものです。憲法というルールを定めることによって国家権力を制限し、それによって一人ひとりの自由や権利を保護する、いわゆる近代立憲主義の考え方が「憲法的思考」の背景にあります。具体的な事件や裁判例を通じて、「憲法的思考」を身に付け、憲法問題について自分なりの意見や答えを導き出せるようになったのではないかと感じます。
 民法3(債権総論)では、通信教育部長である遠藤研一郎先生の講義を受講でき、とても分かりやすい説明で理解を深めることができました。民法3(債権総論)の学習内容は、金融機関の融資業務等においても活用でき、改めて学びを深めることができたと思います。

リスキリングやリカレント教育が叫ばれている昨今、一度社会を経験してから大学で学ぶことにはどのような効果やメリットがあると思いますか?

 これからの時代は、多様なライフスタイルやライフステージの変化に応じた生き方や働き方がいっそう求められるのではないでしょうか。一度、社会を経験してから大学で学ぶことで、仕事で得られないような新たな知識、スキルを身に付けることができ、自らの生き方や働き方の選択肢を増やし、人生の幅を広げることに繋がると考えます。学びに遅すぎることはなく、何歳になっても学び続けていくことは重要と感じます。

今後の目標をお聞かせください。

 中央大学で得た法律の素養、リーガルマインドを高めて、今後の仕事に活かしていきたいと思います。現在、新たな法律資格に挑戦中であることから、必ず合格を果たし、そこで得た知識を活用して、お客様のために行動できる人間になりたいです。