卒業生の声武石 明日香 さん

第一線で活躍する個性豊かな教授による魅力的な講義を受け、独学で参考文献を読んだだけでは得られないその科目の最新の動向や喫緊の課題、最近の学説のトレンド等を知ることができます。

武石 明日香 さん
  • 入学:2012年4月(3年次編入学)
    卒業:2022年3月
    就学時:20歳代
    居住エリア:東京都在住
    職業:公務員
    (2022年6月掲載)

現在のお仕事について教えてください。

 行政事務をしています。異動の度に全く異なる分野の仕事につくことが多いのですが、現在は、アジア欧州協力に関する部署で、翌年度に実施する政策のいわゆる予算概算要求作業や予算執行業務を行なっている他、国際会議のロジ業務や要人接遇業務、課室員の出張手続き等の庶務的な業務を行なっております。 

入学してみていかがでしたか?

 「通信教育」という文言から、通学しなくても卒業できるという印象を持っていましたが、卒業のためには一定のスクーリング単位が必要ということで、多摩キャンパスに何度か足を運びました。普段働いている時間にスクーリングを受け、学食で通学生に混じって昼食を食べる日々は新鮮でした。また多摩キャンパスは自然豊かで、そこにいるだけで良い気分転換になりました。中大通教のスクーリングは、夏期だけではなく通年を通して開講されており、自分のペースで学習できるところが私に合っていると思いました。スクーリングの受講を1度見送っても、年度内に同じ科目を受講するチャンスが残されていることで、仕事との両立がしやすかったように思います。在学中、海外転勤を含む4度の部署異動があったのですが、異動直後や繁忙期はとても学習できる状態ではありませんでした。そんな時に思い切って学習を中断し、仕事や生活の立ち上げに専念できたのは、中大通教の在籍可能期間が長かったおかげだと思っています。在籍期間のうち、約3年半は東アフリカに駐在しており、当時は帰国しなければ科目試験もスクーリングも受講できず、レポートを国際郵便で出しても3通に1通が紛失するという劣悪な環境におかれていましたが、長い在籍可能期限が設定されていたことで、届くか分からないレポートを根気強く出し続けることができました。現在は、コロナ禍によりスクーリングや科目試験がオンラインで受講できるようになったため、結果的に海外でも学習しやすい環境が整備されており、これから学ぶ方がとても羨ましいです。 

レポートの添削指導を受けた感想を教えてください。

 自信を持ってレポートを提出できた課題もあれば、論点があっているのか自信がないまま提出した課題もありました。いい評価をもらえた時はとても嬉しく、その意味で提出したレポートの評価が学習のモチベーションになっていたと思います。インストラクターの方は合格・不合格に関わらず丁寧に、時に厳しく指導してくださいました。同じA評価のレポートでも、良い点を箇条書きであげて褒めちぎってくれるインストラクターの方もいれば、シンプルに「良いです」とだけ記載される方、「ちなみに...」と関連する豆知識を教えてくださる方、「判例と結論は同じですが考え方が違いますね」とA評価なのか疑わしい辛口なコメントを付される方、様々なインストラクターの方に指導をしていただきました。不合格の場合も、このレポートに何が足りなかったのかをはっきり伝えてくださり、根本的に考えが間違っている場合は、それを指摘の上、足りない知識を補うために必要となる参考文献を丁寧に一つ一つ教えてくださったので、インストラクターの方の労力と期待に応えるためにと、より学習意欲が沸いたのを覚えています。 

お仕事もある中で、日々の学習のペースは、どのように組み立てていましたか?

 仕事を最優先に、隙間の時間で勉強するようにしていました。平時は仕事帰りに図書館で勉強し、仕事が忙しい時期は、通勤中や昼休みにオンデマンドスクーリングを視聴したり、早朝、職場近くのカフェでレポートを作成してから出勤したりもしていました。 

学ぶ科目はどのように選びましたか?

 憲法・民法・行政法・経済学・政治学等の公務員試験に出題される科目は専門学校時代にひととおり学んでいたため、まだ学んだことのない科目を中心に、仕事に役立ちそうな科目や、興味のある科目を履修しました。

中大通教での学びが、お仕事や日常生活で活かされた場面を教えてください。

 私が大学で法律を学ぼうと思ったきっかけは、法的な思考能力を身につけ、物事を論理的に考えられるようになりたかったことにあります。行政機関で働いていると、対面書面を問わずあらゆる場面で論理的・合理的な説明を求められますし、日常生活においても論理的な会話ができる人は信頼されると思います。中大通教を卒業するためには、決して少なくない数のレポート課題に取り組まなければなりません。様々な法とその考え方を学び、レポートに取り組んでいく中で、場当たり的な解答が徐々に矯正され、論理的に文書を組み立てる能力が自然に養われたと思います。また、職業柄プレゼンテーションを行う機会がほとんどない私にとって、演習でのゼミ形式の授業の経験は貴重な財産となりました。自分が課題に取り組んだことで得られたこと以上に、他の学生の説明ぶりから学ぶことがたくさんありました。中大通教で学んだ「論理的に考え、それを伝える技術」は、現在、財務省や会計検査院、組織内の幹部や上司に対し説明を行う上で役立っています。

武石さんが思う「中大通教の魅力」を教えてください。

 私の思う中大通教の魅力は大きく2つあります。1つは、それぞれの分野の第一線にいらっしゃる教授の講義を受けることができ、独学で参考文献を読んだだけでは得られないその科目の最新の動向や喫緊の課題、最近の学説のトレンド等を最新号のジュリストより早く知ることができることです。2つ目は、スクーリングや演習、全国の学生会支部で行われている学習会を通して、普段の生活では知り合うことのできない幅広い職種・世代の学友を得られることです。スクーリングや演習、学習会には、様々な世代・職業の方が参加されているため、普段接する機会の少ない業種の方の話を聞くことで自分の世界が広がったように思います。共に卒業を目指す友人達の存在は、日々の学習を継続する上でとても刺激になりました。卒業した今ではかけがえのない飲み友達となっています。

卒業まで学びを継続できた秘訣を教えてください。

 秘訣という秘訣はないのですが、あえて挙げるのであれば、法律の勉強が好きだったからでしょうか。レポート課題で納得の出来ない最高裁判例と出会ったことがきっかけで、事案を研究するうちに、必修ではない卒業論文を書くに至ったくらいには意欲的な学習ができていました。法律を学ぶことが苦ではなく、楽しく学習できていたからこそ、学びを続けられたのだと思います。例えば、どうしても救済しなければならない第三者がいる判例で、既存の条文ではどうにもならない場合、裁判所はどの条文を根拠に、どのようなロジックで第三者を救済しているのか、一つ一つの判例にストーリーがあり、それを学ぶことがとても楽しかったです。無理せず、自分のペースで学習に取り組む環境があったことも、学習を継続できた理由の1つだと思っています。

法律を学びたいと考えている方にメッセージをお願いします。

 近年、115年ぶりに刑法の刑の種類が変更されたり、新たに最高裁違憲判決が出されたり、世界情勢を受け、安保理改革の必要性が浮き彫りになったり、様々な「法」の転換期を迎えています。法律を学び始めるタイミングとして、今であればタイムリーな話題も多く、興味深く法律を勉強することができるのではないでしょうか。中大通教では第一線で活躍する個性豊かな教授による魅力的な授業を受けることができ、働きながら学ぶ環境もしっかり整備されています。また、特定の科目だけ学習したい人向けに、科目等履修生や聴講生の制度も設けられております。中大通教での学習で、法律の知識を深められるのはもちろん、きっと社会人の方は日々の仕事の息抜きになると思います。