卒業生の声伊藤 航大 さん

すべてのレポートが一度で合格した科目よりも、再提出した科目の方が、より理解が深まる傾向にある気がします。

伊藤  航大  さん
  • 入学:2018年4月(3年次編入学)
    卒業:2020年9月
    就学時:20歳代
    居住エリア:愛媛県在住
    職業:地方公務員
    (2021年3月掲載)
    ※伊藤さんの学習履歴は「履修モデルケース」に掲載しています。

入学のきっかけを教えて下さい。

 他大学の別の学部を卒業後、地元の公務員となりました。当然のことながら公務員は法令に基づき職務を行うため、非法学部出身者としては業務の効率化のためにも基礎的な法律の知識を何らかの形で身に付ける必要があると考えていたところ、ウェブサイトで中央大学の通信教育を知りました。
 中央大学の通信教育課程は、卒業率が決して高いとはいえないことや、仕事優先の社会人が独学に近い通信教育の学習を続けられるのか、などの不安もあり、資格が取得できる学校等も併せて検討しましたが、最終的に、法律を学ぶのであれば険しい道であっても伝統ある「法科の中央」で学びたいという思いが強くなり、入学を決めました。

入学されてみて、意外だったこと、驚いたことはありますか?

 レポートが思っていた以上に不合格となることに、さすが「法科の中央」だなと驚きました。以前在籍していた大学でレポート課題を提出し卒業論文を執筆したこと、就職試験の際、一般教養や法律科目の論文試験対策をした経験があり、現在でも業務で文章を作成していることから、自分にはある程度の文章作成能力はあるだろうと高を括っていました。
 今思えば、法学の基本的知識もないまま、レポートを提出していたので、不合格となることは当然のことなのですが...。学習開始当初は、レポートの不合格が続くと落ち込むこともありましたが、不合格は自分に足りないところをインストラクターの先生からご指導を受けられる数少ない機会だと気持ちを切り替え、指摘された箇所を真摯に学習しなおしたうえで、レポートを再提出するようにしました。実際、すべてのレポートが一度で合格した科目よりも、レポートを再提出した科目の方が、より理解が深まり、科目試験の成績も良い傾向にあった気がします。
 また、合格・不合格にかかわらず、インストラクターの先生から、レポートの指導票スペースでは足りないくらい熱心なご指導をいただけたことにも驚きました。毎回指導票はしっかりと読み込むようにしており、中央大学を選んでよかったと思う点の1つです。

お仕事もある中、学習計画はどのように立てましたか?

 社会人学生は何かと時間的制約がありますので、多少残業などが続いても科目試験に間に合うように、レポート学習は余裕を持って計画的に作成していました。具体的には、受験したいと考える科目のレポートは、試験日の2か月前をめどに提出し、科目試験の勉強期間を1か月以上は充てるようにしました。それ以外の期間は、履修系統図を参照しながら、教科書や興味のある科目の参考文献を読むようにしました。その方法で、順調に科目試験を合格することができたので、自分に合った学習ペースだったと感じています。
 学習を継続していくためのポイントは、1週間の中に「休息日」を作り、休息日は、どれだけ勉強したいと思ったとしても、あえて学習しないことです。こうすることで自分の中で勉強欲が高まり、勉強時間が確保しやすい日に集中して学習を進めることができました。私の場合は、木曜日を休息日とし、金土日に学習を進めていました。環境を変えることで集中力が高まりますので、地元の図書館も積極的に利用しました。
 また、なにより大学の学習に理解のある妻の支えが、私の中で一番の学習意欲の継続に繋がりました。今でも心から感謝しています。

夏期スクーリング・オンデマンドスクーリングを受講した感想を、それぞれ教えてください。

 入学した当初は、可能な限り出費を抑えようと考え、スクーリングの受講は最小限 にしたいと考えていました。しかし、刑法総論の学習がなかなか捗らなかったため、オンデマンドスクーリングを受講しました。講義内容はとても丁寧で分かりやすく、その後のレポート学習や科目試験では、一度で合格することができました。オンデマンドスクーリングの受講が学習の大きな助けになると知った以降は、1期2科目を目安に受講するようにしました。
 私は地方在住のため、スクーリングは、オンデマンドスクーリングを中心に受講しましたが、1科目だけ、夏期スクーリングを受講することができました。中央大学で指導にあたられている先生方の熱い授業を実際に目の当りにできたことはもちろん、同じ目標に向かって努力している仲間が多くいることを知り、モチベーションの向上に繋がり、とても良い経験になりました。

卒業後に振り返ってみて、通教で得られたもの、また、これから学んでいきたいことを教えてください。

 入学当初は、通教で法的思考を身に付けることができるか不安でしたが、自分のなかで十分納得したうえで卒業できたと思っています。普段の仕事においても法的な見方を意識して業務にあたるように心がけることで、入学前よりも上司への説明時の説得力が増したように思えます。
 在学中は、基本的な法律科目を学習しましたが、これからは、中大通教で学んだ法律の勉強方法を活かして、行政職員が必要知識として求められる専門的知識を自ら学習していきたいと考えています。

現在のお仕事や生活で法律の関わりを感じる場面は、どんな時ですか?

 現在の業務において法律の関わりを感じた場面は多くあります。私の担当業務で条例を改正することとなり、改正案を起案するときには特に強く感じました。法制執務の右も左も分からないなか、関係法令や用語の確認に加え、眞田芳憲先生の教科書『法学』(※)に、立法過程について分かりやすい記述があったので、何度も読み返しました。もちろん国の立法過程と地方自治体における条例の改正は異なるものですが、おおまかな流れなどを事前にイメージすることができました。自ら携わった条例改正案が、無事に成立した時はとても嬉しかったです。
 私生活においては、2018年に結婚した際、様々な手続を行いました。その当時はまだ民法の履修は進めておらず、特に法律の関わりは感じなかったのですが、民法を学習した上で当時を振り返ってみると、結婚も家族法の分野で細かく規定されていることに気づき、法律はとても身近な存在なのだと改めて感じました。
(※)「法学」は現在休講科目となり、新たに「法学入門」を開講しています。

今後の夢や目標を教えてください。

 中期的な目標としては、中央大学で身に付けた法律の基礎的知識を活かして、大学院への進学や資格の取得など、何らかの形で法律学習を続け、スキルアップ等を図っていきたいと考えています。長期的には、法律に強い人間となり、適正な法解釈・法制執務等を通じて地域住民の方から信頼される公務員になることが私の目標です。