卒業生の声Y さん

司法書士試験に合格後に入学。
部分的になりがちな学びではなく、法律を基礎から体系的に学ぶために入学。今後は、学んできた法律知識を活かして社会に貢献できる仕事を続けていきたい。

Y  さん
  • 入学:2014年10月(2年次編入学)
    卒業:2018年3月
    就学時:40歳代
    居住エリア:東京都在住
    職業:企業法務
    (2017年9月掲載)
    2012年行政書士試験に合格
    2014年司法書士試験に合格

司法書士試験合格後、本学に入学した動機を教えてください。

  仕事上必要とされる知識の修得や法律調査など、その都度対応していましたが、どうしても部分的になりがちで、知識も散らばったものという感じが否めませんでした。また、資格取得の為の勉強をする中でも、法律を基礎から体系的に学びたいという思いは日々強くなっていました。
  そんな中、特に法律学で伝統と実績のある中央大学法学部に通信教育課程があることを知りました。オンデマンドスクーリングのみでの卒業も可能であること、自分のペースで勉強を進められることから、たとえ時間がかかったとしても、これなら継続可能かもしれないと思い入学を決意しました。

大学での学びと、資格試験取得のための専門学校や講座での学びにはどんな違いがありますか?

愛用のペン
(写真)レポート作成時に使用したペンです。書き味滑らかで、長く愛用しています。また、司法書士試験でも多くの文字を記述しますので、とても重宝しました。

  資格試験合格のための勉強は、どうしても短期間で効率よく合格する為の勉強になり、ある程度詰め込み式になることは否定できません。
  一方、大学での学びは、法律知識の修得だけでなく、法律を体系的に学び、それをどう活用するのか、考える力を培うことを重要としていると考えます。課題について、そこに含まれている問題点を理解し(問題提起)、どの法律のどの条項に関連するのか、関連判例はあるのか(規範の定立)→それに対する学説の対立を調べ→課題の事例にあてはめ→結論を導く、といった法的思考能力を養います。身の回りや世の中の出来事について広く関心を抱き、法的視点からアプローチすること、調査・検討し、考える力を養うことが重要であり、その力をつける為の学びであると感じています。
  また、私が取得した資格試験では、条文・判例の知識を問われるものが多く、学説についての問題は相対的に少なく、学ぶ機会はそれ程多くなかったといえます。本学では、学説の対立についてもしっかりと学びますし、学問の面白さ・深淵さを感じる醍醐味があるのではないでしょうか。その点でも違いがあると感じます。

入学後に資格試験に挑戦する在学生の方も多く、Y様と逆のパターン(入学後に資格受験)になりますが、本学での学びが資格試験合格につながることはありますか?

  あると考えます。条文や判例、学説に多く触れる機会を得るので、知識の修得になりますし、一見読みにくい条文や法律文書や法的思考プロセスに慣れることは、資格試験合格へのアドバンテージになるのではないでしょうか。また、資格試験問題の正解を導くには、出題者が何を問いたいのかを素早く的確に捉え、それに対する正確な知識を導き出すことが必要となりますが、多くのレポート課題や科目試験問題に取り組むことで、問題文が何を問うているのかを正確に把握する力とそれに対応する力を磨けるのではないでしょうか。
  さらに、通教では、自分で計画的・主体的に勉強を進めていくことが求められますが、それは資格試験勉強にも共通しています。自己学習が不可欠な点でも共通点は多く、中大通教で培った学ぶ力を資格試験に活かすことができると思います。

学習についておうかがいします。積極的にレポートを提出されていますが、どのようなペースで取り組んでいますか?

  入学して暫くは、司法書士研修や簡裁訴訟代理等認定試験の準備で、通教の勉強には殆ど取り組めなかったのですが、それらが落ち着いてからは、科目試験やスクーリングのスケジュールをチェックし、入学から卒業までの大まかな単位修得計画を立てることでした。
  次に、科目試験・スクーリングの日程から、レポートの作成・提出のスケジュール表を作成し、それに基づき比較的忠実に実行していきました。
  計画を立てる上で心掛けたのは、無理なく、実行可能なものとすることでした。突然の予定変更などで計画倒れとなった場合に備えて予備日程を設定し、定期的に見直すことで実行することができた気がします。エクセルを活用したので、単位の計算もでき、取りこぼし防止にもなりました。達成感を味わえる表とすることで、楽しみながら計画を実行できたと思います。

レポートを書き始める前の準備や工夫などを教えてください。

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(写真)レポートの下書き、卒論作成に欠かせない相棒です。持ち運びにも便利で、お昼休みなどもカフェで勉強しました。

  準備とは言えないかもしれませんが、私の場合は、課題に関連するテキストのページを読み、該当条文を読み込み、またテキストに戻り等しながら、ワープロソフトに構成や文章を打ち込んでいきます。さらに参考文献や判例集などに当たり、加筆・修正を繰り返していきます。作成にあたっては、問題提起→規範の定立→学説の対立→当てはめ→結論の構成をいつも心がけていました。レポート作成を楽しむ為の工夫としては、事例問題など、自分の興味のある課題から取り組むようにしていました。

スクーリングの授業内容や教員の印象を教えてください。

  私の場合、卒業に必要なスクーリング単位のうち、約4分の3をオンデマンドスクーリング、残りを短期スクーリングで修得しました。私が申し上げるのは大変おこがましいのですが、どの授業も素晴らしいものでした。中でも特に感銘を受け、心を動かされた授業がありました。短期スクーリングだったのですが、そんなにも心が動かされたのは、学問を教えることに対する先生の溢れる情熱が伝わってきたからなのだと思います。また、その学問の深淵さ・面白さが伝わってきて、そのような先生の授業を受けることができたのは本当に幸運としか言いようがないと感じたのを覚えています。私自身スケジュールの都合で受講機会は多いとは言えないのですが、素晴らしい先生方の講義を受けられる貴重な機会なので、事情が許す限り受講されることを個人的にはお勧めしたいです。

科目試験の試験範囲は広い場合が多いですが、試験勉強のポイントがありましたら教えてください。

  過去の科目試験問題を勉強する方法もあるようですが、在学期間が短いと過去問題を所持していないので、そういった場合の勉強方法はどうすればよいか。私の場合で恐縮ですが、俗に言う山を張ることはせず、広い試験範囲に対し全体的に勉強し、潔く試験に臨みました。 試験勉強のポイントとしては、レポート課題にしっかりと取り組むことが効果的なのではないでしょうか。私が申し上げるのは大変おこがましいのですが、レポート課題はどれも秀逸で、4問全て取り組むと、当該科目の重要部分について全体的に勉強するように設定されているとの印象を受けました。レポート課題に取り組み、 テキスト、条文、判例集などに目を通すこと、それに加えて、レポート課題で参照しなかった部分も自分で勉強することが、試験勉強として効果的と考えます。
  また、法律科目の科目試験は、大体において試験用六法の参照が許可されています。条文の構造や趣旨をよく理解することが、科目試験対策においても重要かつ効果的と考えます。答案作成の際、必要な条文を探し出し、答案に反映させることにつながるのではないでしょうか。

生活のなかで、法律を体系的に学んだことが活かされた、または入学前とは捉え方が違ったというような出来事がありましたら具体的に教えてください。

  法律を体系的に学んだことで、法的視点で物事を捉えるようになりました。また、一つの観点からではなく、違う視点からの検討の必要性を考慮するようになったことで、広い視野で多角的に物事を捉え、考えられるようになったと思います。仕事上の事例や私生活での関心毎が、どの法律に関連するか、関連法令が法体系のどこに位置づけられるものか意識するようになりました。

今後のY様の目標を教えてください。

  本学などで学んできた法律知識を活かして人や企業をサポートすることで、社会に貢献できる仕事を続けていきたいと思っています。その為にも法律の勉強に今後もより一層精進してまいりたいと思います。仕事と両立できる方法(予備試験への挑戦や大学院への進学)について検討しています。