卒業生の声當金 真悟 さん

本学通信教育課程を卒業したことは、転職活動において企業から評価されたと感じます。また、企業法務として実務に携わる中でも、本学での学びが生きています。

當金  真悟  さん
  • 入学:2014年4月(3年次編入学)
    卒業:2017年3月
    就学時:20歳代
    居住エリア:東京都在住
    職業:企業法務
    (2017年5月掲載)
    2017年4月法科大学院(夜間)進学

本学卒業後に法科大学院に進学されたとお聞きしました。大学院進学はいつ頃から考えていましたか?

 本学での学びを通じて、あらためて法を学ぶことの楽しさを実感し、法への興味がさらに強くなっていきました。そのような中で、法科大学院への進学を決めたきっかけは、学生会駿河台支部主催の只木誠先生の合宿ゼミに参加したことでした。そこで先生の講義を受け、刑法の奥深さの一端に触れるとともに、法というものの可能性、法が社会で果たすべき役割等についても考えさせられました。このときに、「法を使って社会に貢献する」ことが可能であることを生々しく感じることができたことが、「さらに深く法を学び、それを現実の社会で役立てていきたい」という想いにつながり、これを実現するための道として法科大学院への進学を選択しました。

本学の大学の通信教育を選択した理由をお聞かせください。

 まず、法学部で学ぼうと思ったのは、企業法務として働く中で、企業を取り巻く法制度がグローバル化等によって複雑になってきていることを肌で感じ、新しい法令に迅速かつ的確に対応するためには、しっかりとした基礎が必要だと感じたことがきっかけでした。もちろん、進学のために法務の仕事を辞めてしまっては元も子もないので、「仕事を続けながら学べる」ということが大学進学の大前提にありました。この点、通信教育であれば、自分のペースを維持しながら学習を進めることができるので、仕事と学習の両立が可能であると考え、法学部課程を通信教育で提供している大学を探しました。そして、特に法分野で伝統と実績ある大学であること、「行動する知性」を育むことをユニバーシティ・メッセージとして掲げていること等、大学そのものとしての魅力と、著名な教授の方々が在籍していること、オンデマンドスクーリングが充実していること、学費が高額でないこと等、大学が提供する通信教育制度の魅力から、中央大学を選択しました。

入学直後、戸惑ったことや想定外のことはありましたか?またそれをどのように乗り越えられましたか?

 一年目は仕事が忙しかったこともあり、学習に充てる時間を確保するのが難しく、結果的に単位が一つも修得できませんでした。最短での卒業が理想でしたので、少し焦りも感じましたが、無理をして結局途中で投げ出してしまったり、仕事や生活を犠牲にしてしまったりするよりは、少し時間がかかっても、バランスを取りながら確実に卒業しよう、とすぐに気持ちを切り替えたところ、それ以降は焦りも消え、落ち着いて学習を進めることができました。
 また、二年目からは、仕事がある日であっても、帰ってからすぐにレポート作成にとりかかれるように、例えば、昼休みにあらかじめ印刷しておいた課題に関係する判例を読み、重要だと思うところに赤線を引き、不明点や疑問点を書き込むなど、隙間時間を利用して、効率的かつ着実な学習に努めました。

レポート作成について、振り返って印象に残った指導や不合格レポートの思い出等をお聞かせください。

sample  「経済法」や「集団的労働法」については、何度か不合格になりました。当時は、その課題について自分では理解したと思っていました。でも、それは表面的な理解にとどまっていて、本質的なことは何一つ回答できておらず、また、インストラクターの方からのコメントも正確に理解しないままに次のレポートを書いて不合格になる、という悪循環に陥っていたのだろうと思います。それでも、直接的な答えを教えるというようなことはせずに、あくまで私が自力で理解できるように、合格するまで根気強く指導してくださったインストラクターの方には感謝しております。

本学で学ぶ内容は実務に直結したものではないと思いますが、ご自身の変化や影響があったことなどを具体的に教えてください。

 直接的ではないにしても、実務で何か問題にぶつかったときに、本学で学んだことが、解決法を考える上でヒントになったことは多々ありました。例えば、会社で新たなルールを設けたり、これまでのルールを変えたりする場合に、関係部門の負担が増えたり、関連業務にも影響があったりするので、そのようなときには、あらかじめ各部門の理解を得ておくことが必須となりますが、理解を得るためには、その変化に関する合理的な根拠が求められます。その際に、授業で扱った判例の判断基準をもとに、「必要性」や「相当性」などの観点から合理的根拠を考えてみたところ、説明により説得力を持たせることができました。この事例などは、本学での学びが実務に生きた良い例だと思います。

 

在学中、他の受講生との関わりはありましたか?

 私は通学型のスクーリングをまったく利用せず、オンデマンドスクーリングを受講したため、他の学生の方々と関わることはほとんどありませんでしたが、唯一前述の合宿ゼミで他の学生の方々と交流を持つことができました。

大学院進学に際し転職されたとお聞きしました。転職の際、通信教育で法律を学んだことは影響しましたか?

 大学院への通学のため、引越しをしなくてはならず、これに伴う転職でしたが、法務の仕事は続けたかったので、法務の仕事を探して転職活動をしました。転職活動中は、ありがたいことに複数の企業から興味を持っていただけました。これは本学で学んだことが大きく影響しているものと思いますし、実際に面接でも本学での学びについて質問がありました。特に、働きながら就学していたことに興味を抱いてくださった企業が多かったように思います。

今後の目標を教えてください。

 まずは、現在通っている法科大学院を卒業することが目標です。その後は、司法試験に挑戦しようと思っています。また、現在の仕事では英文契約審査など、英語を使う機会が多くありますので、特に英米法の知識を英語で学び、海外の弁護士資格の取得も視野に入れています。

入学を検討している志願者の方に一言お願いいたします。

 通信教育という形態で卒業するためには、「絶対に卒業する」という強い意志をもって、焦らず着実に一歩ずつ進んでいくことが重要です。私にとってその道のりは決して楽なものではなく、進むことに必死で後ろを振り返る余裕すらなかったように思いますが、卒業した今、少し立ち止まって振り返ってみれば、かなり長い道のりを歩いてきたことを実感します。また、前を向けば入学当初は想像もできなかった可能性が目の前に広がっているように思います。それほどまでに、本学での学びは自己を成長させてくれるものであり、これからの生活を豊かにしてくれるものだと思います。
 これから入学される方の決断を尊敬しますし、心から応援しています。頑張ってください。