卒業生の声渡邊 賢一 さん

予備試験合格を経て、2021年司法試験に合格!2023年からは弁護士として活躍。今後も勉強を重ねさらなる成長を続けていきたい。

渡邊  賢一  さん
  • 入学:2015年4月(3年次編入学)
    卒業:2017年3月
    就学時:30歳代
    居住エリア:千葉県在住
    職業:地方公務員
    (2018年12月掲載、2023年12月更新)
    2018年11月 司法試験予備試験に合格、その後、2021年1月 司法試験に合格
    2023年12月より弁護士として活躍

法律を学ぼうと思ったきっかけと入学後の学習について教えて下さい。

 大学では理系で数学を専攻していましたが、地元の市役所への就職を目指し、予備校で法律を勉強しました。その際に、日々の買い物など実生活が、すべて法律に基づいていることを知り、興味を持ちました。法学の論文式の試験では、定理を使って解く証明問題などに、数学との意外な共通点も発見し、法学部への憧れが芽生えました。就職後も独学で法律の勉強を続け、法律の最高峰に挑戦したいと旧司法試験を2回受験しましたが短答式試験で不合格。しかし法律スキルを学位というカタチにしたいと考え、中大通教に出会いました。
 入学後、学費のことも考え、2年で卒業できるよう計画を立てたので、とにかくハードスケジュールでした。卒業年度は卒論(※)が大変と聞いていたので、8科目必要なスクーリングは、有休やオンデマンドスクーリングを使って1年目に6科目を履修。レポートが不合格になっても、すぐに再提出するようにしていました。勉強時間は平日の昼間は仕事、夜も子供の世話や家事があり、家で確保できる時間は1時間程度でしたので、職場の昼休みやモノレール通勤などの細切れ時間を集めて、勉強の時間を作っていました。
 この通教での学習が、予備試験、司法試験の合格の基礎になったのだと思います。

(※)2018年4月の 1年次入学生から「卒業論文・総合面接試問」が廃止されました。

司法試験の合格おめでとうございます。率直なお気持ちを教えてください。

 単純にうれしいという気持ちでいっぱいです。司法制度改革により新司法試験制度となり、すでに社会人であった私としては法科大学院に通うことは難しく、一旦は司法試験をあきらめてしまいました。しかし、中大通教に出会い、もう一度予備試験から挑戦して、司法試験合格までたどり着くことができ、とても長い道のりでしたので、合格発表の瞬間は本当に感動でした。

2018年の予備試験合格を経て司法試験を合格されましたが、中大通教での学びはどう生かされていますか?

 中大通教卒業前との違いは、例えば何か1つ条文を覚えるにしても、単純に暗記するのではなく、その規定の趣旨や関連のある規定も併せて覚えるなど、法体系全体の中で考えるようにしたところです。他には、判例を調べる際、結論だけを調べるのではなく、判断に至る裁判所の考え方を理解するようにしました。
 その結果、予備試験では、⼀番の勝負所である論文の書き方の基本が理解できるようにもなり、これらは、中大通教でレポート作成を繰り返す中で自然に身に付いたものであると感じています。
 司法試験では、予備試験よりもさらに具体的事案を読み取る力が求められましたが、必ずしも細かい知識が必要となるわけではありませんでした。中大通教で学んだ知識が合格の基礎となったことは、予備試験のときと同様だったと思います。

司法試験合格を目指し続けたモチベーションは何でしたか?

 やはり、純粋に法律が好きだった、というのが大きかったと思います。あとは、予備試験に合格できたので、「もうひとがんばりで、ゴールにたどり着ける」という思いも強かったです。

予備試験、司法試験当日の雰囲気を教えて下さい。ボールペンで書くという論述試験など、聞いただけでも過酷なものだと感じます。

 ボールペンで書く論文式試験は、書いた後で大幅な修正ができないので、最初に論文構成をしっかりとしておく必要がありました。
 司法試験の論文式試験は、1科目2時間(選択科目は3時間)という長時間ですが、問題文や検討すべき事項のボリュームが非常に多く、あっという間に時間が過ぎてしまいます。常に残り時間を気にしながら答案を作成していく必要があるので、とても緊張感がありました。
 ただ、司法試験の論文式試験以上に精神的にきつかったのは、予備試験の口述試験です。受験者が全員論文式試験合格者という高レベルでの試験で、高い合格率であるからこそのプレッシャーもあり、これまでに受けてきた試験の中で最も緊張した試験でした。

司法試験を目指している方へ勉強方法(択一、論述、口述それぞれのポイント等)についてアドバイスをお願いします。

 予備試験、司法試験とも、短答式試験は、どうしても知識量が問われてしまうので、とにかく受験用のテキストなどを繰り返し読み、知識を定着させる必要があると思います。
 論文式試験は、基本的な知識をしっかりと身に付けつつ、問題文をよく読み、問題文に示された具体的事実を踏まえ、柔軟に考えることが必要であると感じました。特に、司法試験では、有名な判例を題材にしつつ、微妙に事案を変えている問題が出されたりするので、そのような事案の特殊性に気付けるように、問題演習の際には常に意識をする必要があります。
 予備試験の口述試験は、かなり独特な試験で、質問されたことに即座に口頭で答えることが求められます。短答、論文以上に、基本的知識を基礎として、結論に至る考えをしっかりと頭の中で組み立てられるようにする必要があります。
 ただ、全体を通して感じたことは、それほど細かい知識は必ずしも必要ではないことです。むしろ、基本的な知識をしっかりと身に付け、問題に書かれている具体的事実を正確に読み取ることが重要であると感じました。

現在のお仕事の内容を教えてください。

 現在は、訴訟や不服申立てへの対応のほか、さまざまな部署からの法律上の問題に関する相談に応じる、という仕事をしています。まさに、中大通教や司法試験の受験勉強で学んだことが生かせる仕事で、仕事をしていてとても楽しいです。

法律を学ぶことで仕事上でのご自身の変化はありましたか?

 

 公務員の仕事をしていると、行政法だけでなく本当に幅広い法律が問題になることがあります。中大通教に入学するまでは、公務員試験で学ぶような法律くらいしかきちんとした勉強をしていなかったのですが、中大通教で幅広く法律を学んだことにより、あらゆる場面で法律の知識が生かせるようになりました。

今後の目標を教えてください。

 今の仕事の関係もあり、すぐに司法修習に行くということはできませんが、いつかは司法修習に行き、法曹資格を取得したいと考えていますので、今のうちに司法修習で勉強するようなことの予習をしておきたいと思います。そのような勉強により、今の仕事にも生かせる法律のスキルが向上していくと思います。さらなる成長を続けていきたいです。

入学を検討している方にメッセージをお願いいたします。

 インターネットで出会った「人生を変える8万円。知ってる人は始めてる。」というコピーが印象的でした。通信教育で大学卒業レベルの勉強ができるのか不安もあり、他の大学とも比較しましたが、ホームページがわかりやすくて評判も高く「中大通教ならきちんと勉強できるのでは」と感じました。中大通教を卒業することはとても難しいと言われていましたが、それだけ高いレベルに引き上げられるのでは、と期待が膨らみました。実際に学習を始めてみると、明確な目標があって受ける大学の授業は実に興味深く、中でも有名教授によるスクーリングは衝撃の面白さでした。
 迷っているのでしたら、ぜひ入学してみてください。学びたいことを学ぶ通信教育は、想像した以上に楽しいものでした。おかげで私は司法試験に合格できました。