卒業生の声塔迫 弘章 さん

法的なものの考え方を徹底して問われることで、リーガルマインドを身につけることができます。法令に基づき業務を執行する公務員にとって、それが非常になじむというのが実感です。

塔迫  弘章  さん
  • 入学:2016年4月(3年次編入学)
    卒業:2018年3月
    就学時:40歳代
    居住エリア:福岡県在住
    職業:地方公務員
    (2018年3月掲載)

ご卒業おめでとうございます。今の気持ちをお聞かせください。

 「あっという間に卒業までたどりついてしまった。」が本音で、もっと時間をかけて、じっくりと様々な法律に向き合うほうがよかったのではと少々後悔しています。

消防局の予防部に勤務されていますが、 お仕事内容を教えてください。

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(写真)許認可の実務では、文言として要件を満たしているかだけでなく、法の目的はなにかを突き詰めて審査しています。

  消防には消火や救急、レスキューなどの現場活動以外に、そもそも火災を起こさない、未然に防ぐ仕事があり、予防部が中心となって業務を行っています。主なものでは、放火防止や住宅用の火災警報器設置促進イベントなどの広報活動、建築物への立入検査や消防設備の設置指導、ガソリンや灯油などの危険物への規制を行っています。
 私はその予防部のなかでも、危険物を大量に貯蔵・取扱いをする危険物施設や石油化学コンビナート(プラントやタンク)の許認可を中心に仕事をしています。消防士なのに10 年以上消火活動をせず、レポート課題並みに難解なプラントの図面とにらめっこしています。

入学のきっかけを教えてください。

 上司から「体育系出身のくせにふんぞり返って許認可して。」と言われたのがきっかけで......は冗談で(笑)、10 年以上前に。
 初めて危険物の許認可をする部署に異動したのですが、法令の読み方からわからず右往左往していたところ(当時政令はおまけと思っていました)、知り合いに誘われて市役所の行政法を勉強するサークルに入りました。今もそのサーク ルには在籍していますが、法学部出身の方も多く、議論が深まると話題についていけなくなり、一度専門的に法律を学びたいと考え入学しました。

入学後、初めに「行政法1」を学ばれた 感想をお聞かせください。

  「行政法1」のレポート課題の第一印象は生意気ですが、「行政法の重要点がまとまっている。」でした。サークル等で勉強はしていたのですが、何年も勉強してきたことよりも、レポート作成のために文献を調べ文章にまとめたことのほうが必要な知識が身に付いた気がします。他の科目の課題も行政法と同じで、しっかりと取り組めば自分が期待している以上に法律の知識が修得できるのではと感じています。レポート作成は大変ですが、本学のレポート課題は効率良く法律を学べるものと思います。
 実務への影響ですが、自信がついて上司に歯向かうようになった......ではなく(笑)、私の仕事の場合、許可を得なければコンビナートでプラント等の建設や稼働ができません。つまり営業の自由を規制しているのですが、本学で学び申請者の権利について意識するようになりました。申請者の権利回復のために、ふんぞり返らずに、資料の提供やわかりやすい説明を心掛けています(背中が丸くなりました)。

レポートで、印象に残った科目を教えて ください。

  「刑法総論」はレポートが不合格になって本当に良かったと強く感じた科目です。レポートで問題提起、規範定立、あてはめの形がうまく書けずかなり苦労しました。レポートが不合格になったときは「また予選会か。早くシード権が欲しい」のフレーズが脳裏に浮かびましたが、インストラクターのご指導をもとにレポートを書きなおすことで、刑法だけでなく法律学のレポートの書き方が少し分かった気がしました。不合格のレポートほど大切なことを教えてくれます。

 

「演習」を受講された感想をお聞かせく ださい。

  「演習」は行政法を受講しました。「演習」では事前に提示された行政事件について、事件の概要、原告、被告の主張、判決(理由も)、争点の検討等を報告するもので、何から手を付けて良いかわからなかったのですが、演習前に先生からのご指導もあり(出来の悪い生徒でご迷惑をおかけしました)、なんとか報告できる体裁を整えました。それまでは判例などを読むことが苦手だったのですが、このように分けてまとめると理解が進みました。判例などを学習するとき「演習」での発表を思い出しながら読んでいます。
  私以外に「演習」を受講される方は公務員の方が多いと思っていましたが、予想に反し、私1人でした。発表は行政事件ですので、公務員の私の場合は発表する事件の情景が思い浮かぶ(営業停止等の実務など)のですが、他の受講生の方は行政のお仕事に就かれていないのに私以上に事件を把握され、また争点の検討でも法的に○○だから△△と考える、など自己の主張をしっかりとなされていました。発表を聞いて自分とはレベルが違うと感じました。ただ私に足りないところ(争点や法意の把握)、目指すところ(法的な主張と問題解決)がより明確になり、卒業に向け単位を修得し、絶対にそのレベルにたどり着こうと強く思うようになりました。
  あと、大阪開催でしたので、串カツ、握り寿司......とても美味しかったです。

法律を学び、消防の仕事にどのように活かしていきたいと考えていらっしゃいますか。

 最後くらい(笑)は抜きで!!私が法律を学ぶ理由は、リーガルマインドを身につければ、人を助けることに必ず役立つと考えたからです。本学で法律を学んだことで、法的に解決できることだけでなく、逆に法的には解決できないこともはっきりした気がします。(当たり前ですが火災予防のためとはいえ、法規制を無制限に厳しくして良い訳ではありません。)
 法で解決できないことに対しても行政としてアプローチする手法はたくさんありますので、これらを整理して、一人でも良いので火災で亡くなる方を減らすことが使命と考えています。

入学を検討している志願者の方に一言お願いいたします。

 私の感想で恐縮ですが、特に公務員の方にお伝えしたいのが、本学ではどの教科でも、法的なものの考え方を徹底して問われた気がします。そして、それが法令に基づき業務を執行する公務員には、非常になじむというのが実感です。入学前は不安しかありませんでしたが、本学のレポート指導は初学者にもわかりやすく、スクーリングもネットや各都市で行われており、学生会支部の学習会も充実しています。チャレンジが結果につながる環境ですので、本学でスタートラインに立たれることをお勧めいたします。

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