卒業生の声吉田 緑 さん

自分の価値観やものさしだけで見るのではなく、あらゆる角度から見ることができるようになりました。

平成29年度 刑事政策研究会 懸賞論文(読売新聞社共催)優秀賞受賞。

吉田  緑  さん
  • 入学:2014年4月(2年次編入学)
    卒業:2018年3月
    就学時:20歳代
    居住エリア:神奈川県在住
    (2017年3月掲載)
    前大学(慶應義塾大学環境情報学部)を中途退学。5歳の男の子の子育て中。
    平成29年度 刑事政策研究会 懸賞論文(読売新聞社共催)優秀賞受賞。
    中央大学 渋谷健一奨励賞 受賞。

入学のきっかけを教えてください。

 刑事事件に2回巻き込まれるという、稀な経験をしました。
 この事件が引き金で被害者、家族支援や社会内処遇などの在り方に疑問を抱き、「なぜ犯罪は起きるのか?」「抑止する方法はないのか?」「犯罪に巻き込まれた人たちを救うことはできないのか?」を考えるようになりました。前の大学を中退しており、以前から大学を卒業したいと願っていたので、息子が保育園を卒園するまでの4年以内に卒業する約束で、実家に大学で勉強することを許してもらいました。
 父が中央大学法学部の卒業生だったこと、たまたま事件後に繋がったNPO団体で中央大学法学部卒の弁護士さんたちが支援に取り組んでいると聞いたことから、迷わず中大に決めました。

入学して約2年が経ちましたが、1年目、2年目それぞれの学習状況を振り返っていかがですか?

 私は2年次編入なので、一般教養科目も学習する必要がありました。
 1年目は「とにかくすべてに慣れること」がテーマだったので、一般教養科目を勉強しつつ、レポート作成に取り組み、支部の学習会で法律の授業に慣れるようにしたほか、情報を集めました。また、法律初学者向けの検定試験を受けるなどしていました。
 2年目は「ただの大学生ではなく、法学部生という意識を持つ」ことをテーマにし、法律系科目にどんどん挑戦し、1年間で48単位獲得しました。3年目の現在、卒業まで残すところ12単位と卒論のみになりました。
 1年目にすこしのんびりし過ぎたなとは思いますが、職場、住居含めさまざまな環境が変わった年だったので、ベースをつくるために必要な1年だったとも考えています。

一番最初に取り組まれた科目とその理由を教えてください。

 前の大学でジェンダーについて勉強していたこと、現在NPO活動に参加していることから、まずは特殊講義の「女性と福祉」のレポートに着手しました。興味がある科目、身近な科目から取り組んだので楽しくレポートを書くことができました。
 法学部に入ったからには、つぎに取り組むのは「憲法」!と思いましたが、支部の方たちに「「民法」や「刑法」を勉強した後に「憲法」を勉強すると、より深く理解できる」とアドバイスをいただきました。そこで、つぎに取り組んだのが「民法」のレポートです。実際に、「憲法」は基本的な法律科目を取り終えた後にスクーリングを受講しましたが、さまざまな観点から事例をみることができ、とてもおもしろかったですし、よい評価をいただくことができました。

法律用語やレポートの書き方に慣れるためにどんな工夫をされましたか?

sample 常に法律に触れられる環境に身を置こうと思い、IT企業の正社員の仕事を辞め、入学してからは法律書籍の校正、編集のアルバイトを始めました。最初はとても違和感がありましたが、仕事では六法を開き、条文や判例を毎日見るので、法律用語には自然と慣れました。法律用語がわからないと校正もできないので、とにかく必死でした。また、親切な司法試験受験生がお勧めの基本書や論述式試験の勉強方法を教えてくれました。
 中大通教では「導入教育」を受講し、わからないことはすべて質問しました。また、支部で先生や学生にも話をたくさん聞きました。しかし、聞いてばかりではなく、とにかくまずは下手でもいいからレポートを出してみよう!と思い、1通目、2通目...と継続して書いていくうちに、レポート作成も自然と慣れました。環境と周囲のあたたかい方たちのおかげで、慣れることができたのだと思います。

オンデマンドスクーリングではなく、短期スクーリングや夏期スクーリングを受講されている理由を教えてください。

 やはり、生の授業を聞きたい!わからないことはすべて直接先生に聞きたい!という気持ちが強くありました。
 また、息子がまだ小さいので、夜中や早朝に起きる可能性もあり、オンデマンドの場合は視聴する時間を家で確保するのは難しいなと思いました。
 幸い、理解がある職場、保育園や実家の支援のおかげで、法律科目はすべて対面の短期・夏期スクーリングで受講できています。

スクーリングを受講した感想をお聞かせください。

sample どの講義も非常にすばらしいものでした。その中でもっとも印象に残っているのは「刑事政策」です。私が勉強したいことが集約されている!とスクーリングを心待ちにしておりました。
 鮎田先生の講義は情熱的でおもしろく、たいへん分かりやすく、あっという間の3日間でした。当初は写真を拝見し、こわそうな先生だなと思っておりましたが、非常にチャーミングな先生でした。受講後は足りない!もっとこの先生と勉強したい!と思いました。「先生、来年は演習に参加します!」とお伝えし、すべての刑事系科目の単位を獲得した後、翌年演習でゼミ長を務めさせていただきました。演習では素晴らしい熱意溢れる仲間にも恵まれ、実に有意義な時間を過ごすことができました。仲間たちとは、演習が終わってからも、交流を続けております。
 「刑事政策」を学ぶと、「憲法」、「刑法」、「刑事訴訟法」、「社会政策」、「心理学」などさまざまな勉強もできます。法律科目はいろいろな科目を学べば学ぶほど、点と点がつながり、線になっていくのでとてもおもしろいです。

子育て中とお聞きしました。学習の時間はどのように確保していますか?

sample 日中は仕事か育児家事をしており、自分の時間は息子が寝た後の夜22時からになります。
 時間を無駄にしないため、通勤時間往復3時間は教科書や基本書、作成したレポートを読んで推敲する時間に使い、息子が寝てからは本格的に勉強しています。
 月2、3回平日にお休みをいただいて図書館で勉強したり、休日の前日は遅くまで勉強することもあります。職場、保育園、実家には年間のスクーリングや学習計画を伝え、様々なサポートをしていただき、ほんとうに感謝しております。
 息子も「ママはおかえりペンギン(更生保護のキャラクター"更生ペンギンのホゴちゃん")や詐欺の勉強をしている」となんとなく理解しているようで、応援してくれています。時間がどれだけあるかよりも、時間をどのように使うかが大切だと思っております。

思うように学習が進まなかったり、時間の制約があったりして投げ出したくなることはありませんか?

 投げ出したくなったことは、ないかもしれません。
 入学時、息子は現在(5歳)より小さかったため、熱を出したり、夜泣きもあり、徹夜でスクーリングに行くことは頻繁にありました。連日看病し、息子が完治して安堵したのもつかの間...夏期スクーリング前日に私が倒れ、40度の高熱の中授業を受けたこともあります。「日本法制史」の講義でしたが、杖で叩く刑罰の話を先生がされている最中、関節の激痛に耐えられなくなり(笑)医務室に駆け込みました。奇跡的に解熱し、なんとか単位を獲得しましたが、正直これが続いたらもたないと思いました。
 しかし、私は周囲のサポートを得て大学に通えること自体が幸せなことだと思っております。また、2度目の中退はあり得ない、息子には諦めずにやり抜く姿を見せたいと思ってもいます。レポートが不合格になっても、次回は確実に合格する!と意気込んで取り組み、再提出の場合はすべて1回で合格させました。

お子様の存在は大きいですね。

sample 育児をサポートしてくれる実家や「ママ、いっしょに卒業しようね!試験ちゃんと合格してね!」と応援してくれる息子を想うと、時間を無駄にできない、約束したからには絶対に卒業する!というきもちがいつも勝り、モチベーションを維持できています。

入学する前の自分と比べて変わったと思う点はありますか?

 まず、試験に強くなりました。数回ほど法律関連資格の試験を受けましたが、あまり緊張せずに臨み、結果を出すことができました。
 また、多角的に物事を考えることができるようにもなりました。自分の価値観やものさしだけで見るのではなく、あらゆる角度から見ると、1つの出来事の解は1つではないと感じます。メディアの見方もがらりと変わりました。

今後の目標と入学を検討している志願者の方に一言お願いいたします。

 身近な目標は、残りの単位を獲得し、息子の保育園卒園とともに卒業することです。将来的には、学んだ知識を活かし、現在参加しているNPOなどで犯罪に巻き込まれた個人や企業を積極的に支援するとともに、犯罪抑止のためにできることをしていきたいと思っております。
 刑事政策は深い学問で、まだまだ学び足りません。取りたい資格もあるので、卒業後も勉強は続けていきます。大学を卒業すること、資格を取ることはスタートラインに過ぎず、それから社会になにを残せるか?が大切だと思っております。
 正直、通信教育を自分1人の力で卒業することは非常に難しいと思います。しかし、ありがたいことに、通教には支部がたくさんあり、交流の場もあります。私もたくさんのあたたかい方たちに支えられてきました。生のスクーリングを受講することもできます。人と関わったり、本を読んだり、いろいろな人やモノとの出会いを大切にし、積極的に進んでいけば、諦めないかぎりかならずゴールが見えてくると思います。また、ここで得られるものは法律の知識だけではない、得られるものすべてが人生の財産になると感じております。
 学びたい気持ちさえあれば、きっとすばらしい通教生活を送ることができると思います。

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