卒業生の声唐木 郁子さん

知財の仕事は技術と法律の両面からのアプローチが必要。「知的財産法」を学んだ前と後では全く違ったものとなりました。

唐木 郁子さん
  • 入学:2011年4月(3年次編入学)
    卒業:2016年3月
    就学時:40歳代
    居住エリア:神奈川県在住
    職業:電機メーカー(特許を扱う業務)

現在のお仕事を教えてください。

 技術開発の現場の特許出願や知財戦略を扱う部署におります。モノづくりを知的財産の側から支えていく、いわば縁の下の力持ち的な存在の職場です。

職場では、通信教育で法律を学んでいることは公表していますか。

 公表しています。理由は二つあります。一つは自分の学習意欲の向上のためです。周りに公表することで尚更「後には引けないぞ」と思いを新たにしました。もう一つは周りの理解を得るためです。スクーリングなどで休暇を取得するにあたり、明確な理由を告げたほうがよいと考えました。
 幸いなことに理解ある上司や同僚に恵まれ、スクーリングの為の休暇取得の際には、「頑張れよ。」という暖かい 応援の言葉に励まされて現在に至ります。

法律を学ぼうと思った理由を教えてください。

 入社してすぐ、「特許のプロ」といわれる方と一緒に仕事をする機会があり、知的財産や契約といった法律的な業務への興味がわきました。縁あって現在の職場に異動したものの、周りはエンジニア職の方ばかり。
 特許には技術的な知識は必須であり、根からの文系である自分に出来ることは限られておりました。ならば法律的な側面から専門的な知識を身につけたい、という意識が高まっていったある日のこと、満員の通勤電車の中、一箇所だけ光が当たっていたのが中央通教の広告でした。これはもう、「学べ」という天からの啓示だな、と思ったのがきっかけです。

最近では知財業務に携わっている方も本学に多く入学されています。契約業務などの面において法律を体系的に学ぶことはどのような意義がありますか?

 知財と法務の業務は紙一重です。殊に技術開発においては契約に関する知識は必須です。モノづくりはただ良いものを作るだけではなく、それをどのように市場に広めていくかまで考えていかなければなりません。製品を世の中に送り出すまでには様々な法律が関わってくることを、改めて認識しつつあります。体系的に学ぶことにより、より広い視野で物事を見て、状況に応じた判断が出来るようになります。また、一会社員として社会生活を送るにあたっても、法律の知識があるとないとでは全く意識が変わってくるように思います。

メディア教材やリーガル・リサーチはどのように活用されていますか?

 メディア教材は、スクーリングに参加しているような感覚で先生の講義を聴くことが出来るので、レポート作成の際にも大変参考になります。ただ聞き流すだけではなく、きちんとノートをとって要点をまとめると、より理解が深まります。参考文献を読むだけではなかなか理解できなかった部分も、繰り返して視聴ができるので何度でも見返しています。
 リーガル・リサーチは、最近になってやっと有用さを実感いたしました。一般的なネット検索よりもよりピンポイントで必要な判例を探し出すことが出来、もっと早くから使っていればよかったと思っています。これからの学習や、卒論レポート作成に向けて、どんどん使っていきたいです。

途中で退学する人も多いのですが、仕事との両立のポイントや、時間の使い方、勉強方法などを教えてください。

 かくいう自分も最初の1年間は、入学しただけで終わってしまいました。このままではいけない、と思い翌年の学習ガイダンスに参加し、同じように卒業を目指す「同志」がいることを実感して意識を改めました。最初のレポートを書き上げるまでもこれまた色々と大変でしたが、それ以降は牛歩の歩みではありますが、確実に進んでおります。
 やはり、気負いすぎないことが大事かな、と思います。理想と現実はどうしてもギャップがあります。通教の仲間たちの進度も気にならないといえば嘘になりますが、自分に合った学習の進め方を見つけて、無理の無いようにやっていくことが続けるコツなのではないでしょうか。自分の納得がいくまで文献を読み込み、設問の意図を理解することでレポートは必ず書けます。通勤時間や休み時間、ほんの10分でも文献は読めます。時間は作ろうと思わないとできないけど、無理は長続きしません。そのかわり、やると決めたらとことんやりますし、終わりにしたら思う存分好きなことをします。そんな気持ちの切り替えも大事ですね。

法律を学びお仕事で役に立ったことを教えてください。

 技術開発現場に近いせいか、特許法は知ってはいても「特許」として登録されるための決まりごと、という認識でした。その意図するところを理解するためには、やはり特許法をきちんと学ぶことが重要だな、と実感しました。知財の仕事は技術と法律の両面からのアプローチが必要となります。技術面のサポートは文系である自分には困難ですが、法律面からのサポートということでは、知的財産法を学んだ前と後では全く違ったものとなりました。
 また、担当業務である知的財産分野に関する法だけではなく、「六法」すべてが会社生活において必要不可欠な法であることを実感しています。殊に会社法や労働法は、労働者である以上は学んでおくべきものだと思います。

今後目指している資格や目標などをお聞かせください。

 まずは漠然とではありますが、「卒業」を意識できるところまでなんとかやってきましたので、それが第一義です。
 知財のほかに、企業法務についても興味があるのでそのあたりの専門知識も深めたいと思っています。学んでいくうちにだんだん欲も出てきたので、皆さんがチャレンジしておられるような資格の取得もいずれは考えるかもしれません。

入学を検討している志願者の方に一言お願いします。

 最初の一歩を踏み出すまでは大変かもしれません。でもそれ以降はただただ進むのみ、です。法律は決して難解なものではありません。むしろ社会生活を送っていくうえで必要不可欠であり、見識を広めてくれる重要な知識だと思います。確かに簡単な道のりではありませんが、確実に自分の世界が広がっていくことを実感できます。法律を学ぶことに年齢の制限はありません。むしろ今まで経験してきたことをさらに活かすことが出来るように思います。ぜひ、一歩を踏み出してみて下さい。

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