卒業生の声Mさん

卒業までの間、耐え難い不安に押しつぶされそうになったこともありました。

Mさん
  • 入学:2008年4月(1年次入学)
    卒業:2014年3月
    就学時:30歳代
    居住エリア:京都府在住
    職業:自動車メーカー(営業部・販売課)
    (2016年10月掲載)

本学に入学されたきっかけを教えてください。

 家庭の事情もあり、高校を卒業後はすぐに就職したので、漠然と大学卒業の資格を取得したいとは考えていました。35歳の時、ある部署の責任者に抜擢されたことで、様々な問題に適切に対応するには、法的思考や知識が必要だと痛感しました。そんな折、書店で見つけたのが中央大学通信教育課程の「入学案内書」の真っ赤な封筒です。不安は多くありましたが、社会規範としての法を学ぶこともでき、かつ大学の資格も取得できると分かり入学を決意しました。

お仕事との両立で苦労されたことを教えてください。

 普段は仕事が定時に終われることはあまり無いので、体が慣れるまでは毎日深夜に及ぶ学習を続けることは辛かったです。また、仕事上の苦情対応での残業や長期の出張や研修があると学習時間を確保するのに苦労しました。そんな場合は、学習時間帯を変えたり、隙間時間を積極的に使うようにしました。例えば、起床時間を1時間早めて学習したり、出張には文献を常に持ち歩き移動や休憩の時など暇さえあれば読み込んでいました。また、週休2日制ですが土日は休みではありませでしたので、短期スクーリングへ参加することは難しかったです。

最初の年は単位が修得できなかったようですが、「もう無理だ。」と諦めなかったのはなぜですか。

 初めての単位修得(2009年1月科目試験)まで長かったので、もう諦める寸前でした。なぜ諦めなかったのかというと、今まで理解できなかったことが理解できたとか、できなかったことができるようになったからだと思います。つまり、自分なりに成長を感じることができたからだと思います。例えば、法律用語がわかるようになった、教科書の通読時間が短縮できた、基本書の内容が理解できた、レポートがほぼ合格するようになった、毎日3時間の勉強ができているなどです。
 最初の1年は、法を学ぶ心構えや学習スタイルを確立するための期間だったのではと思っています。もし、あの頃に、あまりに遠い卒業を意識しすぎてたら、耐え難い不安に押し潰され、諦めていたかもしれません。

2年目以降、学習計画はたてましたか。またそのポイントがあったら教えてください。

 2年目以降、年始に年間の学習計画を立てました。まず、年度内の科目試験とスクーリングの受験・受講科目をすべて決めます。科目試験・スクーリングは、ひとつの試験期・開講期で2科目を限度としました。『別冊白門』では、スクーリング科目の3年間の開講予定も確認できるので、先を見据えた計画を立てることを意識しました。

1ヶ月、1年単位の学習計画のポイントを教えてください。

 週にレポート1通、1ヶ月でレポート4通の提出を目標としました。ただ、目標に拘るあまりにレポートの完成度が落ちては再提出となり非効率となるので、その点には留意する必要があります。各個人差はありますがレポートの提出ペースをきちんと決めて確実に実行することは重要です。また、計画の際、レポートの送達や採点にかかる時間も考慮する必要もあります。
 年間の学習計画では、受験・受講予定の科目試験・スクーリングの前に1ヶ月程度の試験・スク-リング対策の期間を設けるようにしました。この間は、新しい科目のレポートには取り組まず、過去問の分析と解答作成、教科書や基本書の読み込みに充てて、より確実な試験合格を目指しました。対策に充てられる時間には個人差があると思いますが、確実に単位を修得するために入念な準備は必要だと思います。

卒業論文合格後の教員との面接の様子を教えてください。

 総合面接試問は最終試験ですし、今までの筆記と違って教授との一対一の口述試験ですから緊張しました。私は、労働法の分野で、「年休取得をめぐる問題(時季変更権行使の適法性)」について卒論を書き毛塚先生がご担当でした。最初に、自身の仕事について聞かれ、テーマを選んだ理由、論文内容についての質問がありました。ただ、試験というよりは個人授業のような雰囲気でした。先生の息子さんも休暇の取得に苦労されていることなどもお話しいただき終始和やかでした。先生からは、「ここで得た正確な知識を活かして、企業の中から休暇の問題に取り組んでください」とお言葉を頂きました。
 総合面接試問は、先生と接する機会が少ない通教生たちが、卒業まで歩んできたことへのご褒美だったのかなと思ってます。

卒業が決定した時の気持ちをお聞かせください。

 自分の想像を超えた達成感と充実感があり、とにかく嬉しかったです。ただ、6年間の通教生活が体にしみついており、すぐには卒業の実感が湧かず信じられませんでした。また、これで通教生活が終ると思うと、安堵感とともに一抹の寂しさも感じました。なぜか、卒業式が終わるまでは落ち着きませんでした。

法律を体系的に学ばれて、お仕事に活かされたことを教えてください。

 私は、営業部で販売課の管理者として従事しています。一般的には、常に法的思考や知識が必要というわけではありません。ただ、様々な問題が生じたとき、例えば、商品代金の回収不能や商品不具合に乗じての不当な要求、また、従業員の残業や休暇の労務管理等の場面で、社会規範としての法を学んだことでおおよそ妥当な解決ができるようになったと感じています。  今までなら顧問の弁護士の方に依頼するような案件も、法的知識を得たことで粘り強く示談で解決できるようになったと思います。

今後の目標を教えてください。

 法律系の資格試験に合格することが当面の目標です。

入学を迷っている志願者の方に一言お願いいたします。

 本学の通信教育は、多くの方に門戸が開かれている一方で、学問の専門性はもとより通信教育特有の苦労や困難があり、卒業することは容易ではありません。入学を迷われている方も多いと思いますが、多くの困難を克服し、本学で法を学び終えたとき、想像を超えた自己満足を得ることができます。
 新しい自分に出会うために、迷われているなら思い切って挑戦してみてはいかかでしょうか。